エジプトの大統領選挙が、今月の25,26日に行われるが、これに先立ち、アメリカのワシントンにあるPew調査センターが行った、世論調査結果が発表された。Pewはこの世論調査の結果は、1000人のエジプト人に直接面会して、質問した結果だということだ。
その世論調査の結果によれば、シーシ大統領候補を支持する者は、54パーセントであり、45パーセントは反対していた、ということだ。そもそも、モルシー大統領を失脚させた軍の行動は、民主的でないとして支持しない人たちが、43パーセントいた、とも報告している。
45パーセントが軍の行動を否定的に捉えているが、他方、軍の行動を支持する人たちの割合は56パーセントとなっている。軍の行動を支持する人たちは、支持の理由として、治安の回復を主な理由として挙げている。
シーシ大統領候補の対抗馬である、サッバーヒ氏については、35パーセントが支持し、反対に回った人の割合は62パーセントであった。
さてこのPewによる世論調査の結果は、どういうことを意味しているのであろうか。調査は対面式で行われたというが、回答者は英語を話す人たちだけだったのであろうか、それとも通訳を立ててアラビア語の回答者も、含めたのであろうか。
Pewは。この世論調査の結果を発表することによって、どのような影響を考慮したのであろうか。それは二つの解釈が推測出来よう。一つは『シーシ大統領候補が決定的なリードをしていないということで、サッバーヒ大統領候補側を支援した。』ということだ。
もう一つの可能性は『シーシ大統領候補が決定的に有利な立場には無い。』ということを公表することにより、今回行われる選挙は公平なものだ、という印象を与えるものになる、ということだ。
世論調査は何処の国でもそうだが、事前にある一定の効果を考えて、行われるものであり、そこには一定の意図があるのが普通だ。このPewの調査にも、裏があると考えるのが、妥当であろう。
そこで重要な判断材料は、アメリカ政府が今後エジプトとの関係を、どう考えているかということだ。もしアメリカ政府がエジプトとの関係を、発展していくと考えているのであれば、このPew の調査は今度行われる大統領選挙の、クリーンさを印象付けることを、目的としていよう。
選挙結果は、シーシ大統領候補の勝利が、確実ではあるのだが。