『イラク学者がサウジアラビアの関与を非難』

2014年4月28日

 

 イラクのイラク国家連帯法律専門家会議の、サアード・ムッタリブ氏がサウジアラビアを非難した。それはサウジアラビアがイラクの不安定化のために、関与している事についての非難だ。

 イラクでは近く選挙が実施されるが、それを阻止あるいは失敗に終わらせるために、サウジアラビアがイラク国内を不安定化させる、工作をしているというのだ。確かにこのところ、イラク国内では外国人と見られる、テロリストにより、多数の爆弾テロ事件が起こっている。

 サアード・ムッタリブ氏によれば、サウジアラビア政府は自国民のイラクへの入国を禁止しているが、チャド人やナイジェリア人のイラクへの派遣を、進めているということだ。サウジアラビア政府は彼らに対して、給与も支払っていると彼は主張している。

 サアード・ムッタリブ氏はサウジアラビアとイラクとでは、政体が全く異なっており、サウジアラビアは王国であり、民主主義など存在しない。サウジアラビア政府は国民が何を望んでいるかを、理解していないのだと主張している。

 サード・ムッタリブ氏の意見では、サウジアラビア政府は外人傭兵を、イラクに送り込んでいるばかりではなく、イラク・シリア・イスラム国家組織(ISIL)やアルカーイダも支援しており、イラク国内の不安定化を、進めようとしているということだ。

 確かに彼が主張するように、イラクで現在テロ活動を活発に展開しているのは、いずれもスンニー派のテロ組織だ。イラク同様にシリアについても、サウジアラビアはカタールと並んで、スンニー派のテロリストを支援している、という見方が世界の専門家の間で、広まっている。

 イラクのマリキー首相はシーア派であり、イランとの関係は極めて良好であるということは、世界的に知られているし、シリアのアサド大統領とその体制も、シーア派の一つである、アラウイ派なのだ。

 サウジアラビア政府にしてみれば、周辺諸国のなかにシーア派政権を、生み出したくないということと、王制とは異なる共和制国家を、生み出したくないということであろうか。しかし、それはやがて自国の民主化を、引き起こすことにはならないのか、という不安が浮かぶのだが。