『台湾の中東中央アジアへの関心』

2014年4月26日

 

台湾を421日から23日まで訪問してきた。

台湾は外交関係が狭められているために、持てる技術力を貿易に十分生かしきれていない、という状態にあるのではないかと思える。その問題を解決するために、台湾政府は世界中に強い関心を抱いているようだ。 

 台湾の大手企業の会長と、友人を通じて知り合いになり、何度か東京で食事を共にした。彼はそのなかで、中東や中央アジア、トルコに対し強い関心を寄せ、遂にはトルコを訪問している。

 その後の彼の動きはすばやかった。トルコの企業と合弁で会社を設立したのだ。近い将来にはトルコ国内に製造工場も持ちたいと言っている。彼はトルコが持つ底力を信じたのであろう。私が書いた『これから50年世界はトルコを中心に回る』は何度もお読みくださったようだ。

 彼はそれだけでは済ませなかった。彼個人だけではなく、台湾の多くの企業にトルコに興味を持って欲しいと考ええたのだ。何人かの企業オーナーを連れて、トルコに乗り込んでもいる。

 仕上げは台湾政府に協力させることだった。そこで彼は私を台湾政府に紹介し、私の話を聞かせることにした。それが今回の台湾招待だった。台湾政府外務省の副大臣2人と、彼のスタッフを前に食事をしながら、中東、中央アジア、トルコについて話して来た。

 彼らの質問してくる内容は、さすがに鋭いものだった。おまけは二日目の夕食のホストが、私のリビア留学仲間だったのだ。友人はイスラム教徒でイブラーヒーム・チャオさんだが、今ではサウジアラビア大使を辞任し、外務省の顧問とサウジアラビアが中心になって結成されている、世界イスラム諸国会議の台湾代表になっている。

 述べるまでもなく、久しぶりに会った彼も、年齢は隠せなかった。彼の髪は真っ白になっていた。しかし、同級生とはいいもので、お互いに抱き合い挨拶をした。彼とリビアで別れてから既に、40年の歳月が経過していたのだ。

 帰国の日の前日の午後、台湾のテレビのインタビューを受けた。英語の上手なアナウンサーが、何十もの質問を用意しており、それをたずねてきたのだ。準備周到、彼は私のブログも読んでいたそうだ。

 アメリカに留学して、マスコミの勉強をしたドクターだったが、さすがにプロだと感心させられた。私が台湾で話したのは、日本やトルコを活用して、アラブや中央アジアの市場に出て行く、という方法だった。それが一つでも成功して欲しいものだ。