クウエイトのアルワタン紙とアーラム・ル・ヨウム紙が、2週間に渡る発禁処分を受けた。
これはクウエイトで起こった軍による、クーデター未遂に付いて、関係者の間のビデオの内容を、報じたことに端を発している。両紙で報じられたことと、あまり内容の異ならない報道が、他紙でも行われていたのだが、2紙は懲罰的に、発禁命令を受けることに、なったのかもしれない。
クウエイトのサバーハ・アハマド・ジャービル・サバーハ首長は、このクーデター未遂事件が、国民の話題に上ることを、嫌がっているのであろう。国会議員の間では、話し合われているようだが、一般の話題に上ることは、何らかの機会に、暴動に発展する危険性があるからであろう。
結果的に、裁判所はアルワタン紙とアーラム・ル・ヨウム紙を、2週間に渡って、発禁に処することにしたということだ。アルワタン紙の責任者は『我々が報じた記事は、他紙と同じ内容だ、別に特別な報道をしたわけではない。』と語っている。
クウエイトでは国会議員の選出も、民主的に投票によって行っている、湾岸諸国のなかでは、最も民主的な体制をとっている国だ。そのため、クウエイトの10数の新聞社は、自由な報道をしてきていた。
そうなると、今回のクーデター未遂は、案外深刻なものだったのではないか、という憶測が働くのだが。
サウジアラビアのニュースにしろ、クウエイトのニュースにしろ、イランとの緊張関係か、あるいはムスリム同胞団との敵対関係が、裏にあるのではないか、と思いたくなるのだが。