『サウジアラビア国王の余命はあと6ヶ月』

2014年4月20日

 

 サウジアラビアの反体制側から、流れてきた情報によれば、サウジアラビアのアブドッラー国王の余命は、あと6ヶ月だということだ。

 アブドッラー国王は90歳と高齢であることに加え、肺癌を患っており、何度も入退院を繰り返してきている。先月、オバマ大統領と会談した際も、実は酸素補給器をつけていた、ということのようだ。もちろん、マスコミに出てくる映像では、酸素補給器は外されており、いたって健康なように見えるが。

 世界一の石油生産を誇る、サウジアラビアの国王の余命が短いということは、世界経済に与える影響が甚大なだけに、各国はアブドッラー国王の健康に、異常なまでの関心を、払っていることであろう。

 アブドッラー国王亡き後のサウジアラビアが、どうなっていくのか、誰がアブドッラー国王の後継として、国王に就任し、誰がその後の国王になる皇太子に就任するのか、そして閣僚はどのような人たちが就任するのかなどだ。

 いまのところ、サルマン皇太子が次の国王に就任することは、ほぼ間違いなさそうだ。そしてサルマン皇太子が国王に就任した際には、ムクリン王子が皇太子になる、と予想されており、これもほぼ間違いなかろうと見られている。なお、ムクリン王子はアブドッラー国王の、腹違いの弟だ。

 その他の閣僚人事についても、近い将来発表されるのではないか、と見られている。そうすることによって、スムーズに王位の継承をし、新体制を構築しようということであろう。

 その場合問題になるのは、シリア内戦で蛮勇を奮った、バンダル王子に対する、処遇ではないか。彼が情報長官を辞任したのは、彼の意思だとされているが、他方では、アメリカがバンダル王子の過激なシリア対応に嫌気が差して、辞めさせるようサウジアラビア王家に、働きかけたという情報もある。

 バンダル王子がアブドッラー国王の死亡後、あるいはサルマン体制となった段階か、あるいはその王位継承の瀬戸際で、ことを起こすことも考えられよう。彼にはアルカーイダを始めとする、イスラム原理主義者たちとの、強い関係があるからだ。今後のサウジアラビアの焦点はバンダル王子であろう。

 サウジアラビア国内にはシーア派の反体制の動き、インテリ層の王家に対する反発、女性の自由拡大大運動など、幾つもの政府を悩ます動きが存在する。したがって、バンダル王子にしろ、他の反体制派の人たちにしろ、アブドッラー国王の死は、大きな変革のチャンスということになるかもしれない。