『エジプトに関する危険な情報』

2014年4月17日

 

  エジプトに関する危険な情報が入ってきた。それが現実のものとなれば、エジプトへの観光旅行は、ほとんど不可能になろう。あるいは、危険を押して行くしかなくなるだろう。

  危険な情報というのは、昨年7月に軍によって追放されたムスリム同胞団が、カタールやその他の組織の協力を得て、エジプト国内をシリア同様の、戦場に変えてしまうというものだ。

  もちろん、そうは言ってもエジプトには他のアラブに比べ、格段にしっかりした軍事組織があり、そう簡単ではあるまい。情報機関の程度も高いのだ。

  そうした情報機関が、徹底的にムスリム同胞団と、それと関連を持つイスラム原理主義組織との連携による、エジプトでのテロ活動を阻止するために、調べていた情報の一部を、今回公開したのであろう。

  その情報によれば、リビアにある縫製工場が、エジプト軍の軍服を製造しており、自由エジプト軍という名前の、反政府組織のメンバーに、配布しているというのだ。

  この自由エジプト軍のメンバーは、ほとんどがエジプト人だが、彼らが近い将来、エジプト軍の軍服を着て、エジプト国内に侵入して来るということだ。彼等はエジプト国内で政府の建物、大統領府、国際空港、刑務所を襲撃する計画のようだ。同時に、エジプトの大統領選挙の妨害も、考えているということなので、作戦が実行されるのは、ここ数カ月の間だということになる。

  現在、自由エジプト軍に引き渡されるべき、戦闘車両や武器などは、リビア東部のデルナ市に集められているが、このデルナはいまイスラム原理主義者によって、支配されている街だ。

  この作戦の司令官はシャリーフ・ラドワーニであり、作戦担当者はイスマイル・サラビーで、彼はカタールの情報機関と、深い関係にあるということだ。カタール側の代表は、ガーネム・クバイシーという人物だと報じている。

  この作戦には、アルカーイダ、ムスリム同胞団などの、イスラム原理主義組織が名を連ねており、エジプトからリビアに逃れた学生などが、戦闘に参加する予定であり、スーダン人のメンバーもいる、ということのようだ。

  リビアにあるアブー・ウバイダ訓練所には、カタールの情報機関員がたびたび訪問している、とも報じている。

  他方、パレスチナのガザ地区にあるビーチ・ホテルには、ムスリム同胞団の事務所があり、そこにはムハンマド・イッザト・イブラヒムが代表者になっている。彼はムスリム同胞団ナンバー2シャーテルの側近だ。

  ムスリム同胞団はアンサール・ベイト・ル・マクデスやハマースに、リビアから密輸した武器を提供している。そして資金はカタールが提供し、トルコの情報機関もかかわっているということだ。

  この自由エジプト軍が動き出した場合、エジプト国内はシリア同様に、戦場と化すわけであり、経済の開発も観光の推進も、不可能となろう。驚くことに、自由エジプト軍の攻撃ターゲットには、アスワン・ハイ・ダムも含まれているということだ。もし、アスワン・ハイ・ダムが破壊されるようなことになれば、カイロは水没することになり、被害は想像を絶するものとなろう。

  今回伝わってきたこの情報が、単なる情報であることを祈るしかない。そうでなければ、何十万、何百万人のエジプト人が、犠牲になる危険性がある。