アリー・ゼイダーン首相が辞任して、まだ2カ月も経っていないが、彼の後を追って首相に任命されたアブドッラアー・トハーニ氏が、首相任命から1週間も経たずして、辞任すると言い出している。
それは彼と彼の家族が何者かによって襲撃されたのが原因のようだ。そのことに加え、アブドッラ―・トハーニ氏の首相就任では、議会の得票数が足りなかったから、問題が起こっているのだ、という説もある。
彼は76票のうち、42票を取って首相に就任しているが、本来であれば、200票のうちの、120票を獲得しなければならないのだ、という意見もある。しかし、トハーニ氏はその前に124票獲得しており、120票を新たに獲得しなおす必要はない、という意見もあるようだ。
アブドッラ―・トハーニ氏は元陸軍の大佐で、1997年に軍を辞任し、その後アリー・ゼイダーン内閣で、国防相を務めた60歳の人物だ。あくまでも、今回のアリー・ゼイダーン首相の後継人事は、臨時的措置だったようだ。
しかし、アブドッラ―・トハーニ氏に命じられた義務は重く、1週間で組閣し、国家の運営をするように、議会から指示されている。
アブドッラ―・トハーニ氏は『自分が首相職にある期間には、リビア人同士が殺しあうことに反対だ。』と語っていたが、そのことが今回の辞任に、繋がっているのかもしれない。
リビア国内はカダフィ大佐が殺害されて以来、新たな時代を迎えているが、相変わらず多くのミリシア・グループが、全国規模で殺戮を繰り返しているし、リビア唯一の外貨獲得源である、石油の積み出し港も、ミリシア・グループによる占拠が、起こったりしている。
現在、リビアの安定化が程遠い事から、外国の関与、たとえばアメリカやイギリス、フランス政府の支援を、必要としているのかもしれない。そうなれば、それらの国々のリビア内政に与える影響は、相当明確かつ露骨になり、また新たな不満を生み出すことになろう。
リビアが安定化に向かうのには、まだまだ時間が必要だということであろう。