アラブ世界、なかでもイラクやシリアでは、タクフィールと呼ばれる猛威をふるうイスラム原理主義グループが、残虐な殺害で世界的に知られるようになっている。
このタクフィール組織傘下には、ダーイシュ(イラク・レバント・イスラム国家)組織や、ヌルサ組織が含まれている。つまり残虐な行為をしている、イスラム原理主義と言われる組織は、タクフィールにコントロールされている、ということだ。
あるいは、タクフィールとイラク・レバント・イスラム国家組織、ヌスラ組織などは同じ組織であり、単に名前が違うだけなのかもしれない。このタクフィール組織の資金や武器のスポンサ―は、サウジアラビアだと言われている
アルカーイダ組織についても、一部ではアイマン・ザワーヒリではなく、本当のリーダーはバンダル情報長官だ、と語られている。そのことの真偽のほどはわからないが、サウジアラビアがスポンサ―である、可能性は少なくなかろう。
サウジアラビアは何故このような暴力的な組織を、支援しているのであろうか。専門家は『サウジアラビアはワハビズムを、世界に知らしめたいためだ。』と説明している。
ワハビズムとはサウジアラビア建国の祖となった、イスラムの学派であり、この組織とサウド家が一体となって、サウジアラビア王国を創立したのだ。しかし、それだけでは説明不足のような気がする。
実はサウジアラビアはいま、同国のペルシャ湾岸にある、アルアルカテーフ地域の反政府運動を、恐れているということのようだ。同地域はサウジアラビアの中にあって、主に石油を産する場所なのだ。
そればかりか、教育が進んだ現段階では、多くのサウジアラビアの若者が、自国を刑務所のような国家とみなしており、機会さえあれば革命を起こしたい、と考えているようだ。
こうした事情が、サウジアラビアをして、国内が不安定な時は、外部に敵を作るという政治的定石の、蛮行に走らせているようだが、そのことは西側諸国の間で、サウジアラビアの評判を、落としているようだ。
例えばウオール・ストリート・ジャーナル紙は『バンダル情報長官が辞任したことは、アメリカとサウジアラビアとの関係改善に役立つ。』とサウジ王室顧問が語ったと伝えている。
これから先、サウジアラビアは欧米諸国との間に、良好な関係を維持していけるのだろうか、とふと疑問が沸くのだが。