『イラン・アメリカの大取引が始まるか』

2014年2月22日

 

イランとアメリカとの関係が緊張して、既に35年が経過している。述べるまでも無く、この両国間の緊張関係は、1979年のホメイニ革命以来のものだ。ホメイニ革命後、アメリカ大使館がイランの学生たちに占拠されて以来、両国関係は凍りついたままになっている。

 しばらく前から、私はそろそろイランとアメリカとの関係に、改善の兆しが見えるだろう、と書いてきた。そして、それがジュネーブ会議の部分的な成功以来、現実味を帯びて来ている。

 アメリカが主張するような、イランの核兵器開発はありえない、と思っていたからだ。イランに核兵器を持ちたいという願望があったとしても、現在の国際情勢下で実行に移せば、それは大変な危険を冒すことになるからだ。

 したがって、イランは少なくとも当分の間は、核兵器を持つことを考えてはいまいし、それをアメリカは分かっているだろうと思ったから、アメリカとイランとの関係は、しかるべき時期が来れば、改善すると言ってきたのだ。

 アメリカにすれば、イランに対してかけてきた圧力が、どれだけ大きな経済的メリットを生み出すのかに、関心があったのではないだろうか。35年の西側との関係断絶は、イランのインフラ、工場施設、石油ガス関連部門などあらゆる部門に、大きなダメージを与えているはずだ。

加えて、大統領や閣僚が乗る専用機も、既に古くなり何時墜落しても、不思議ではない状態になっていよう。イランの公式レポートによれば、イランが航空機を輸入したのは1978年が最後であり、以来、新しいボーイングやエアバスなどといった航空機は、イランに届いていないのだ。

そればかりか、航空機の部品も輸入が不可能であり、イラン政府はこれまで、密輸をして部品を調達していたが、それでも足りない部品は、自国で製造して間に合わせてきていたのだ。

エルサレム・ポストは報じるところによれば、結果的にイランの航空機には欠陥が多過ぎ、1991年以来今日までに、航空機事故は200回起こり、2000人の乗客乗員が死亡しているということだ。そのため、早急に新型機の輸入が、必要となっている。

ジュネーブ交渉で風穴が開いたいま、ヨーロッパ各国もイランの市場に参入しようと必死だが、アメリカの航空機会社もイラン市場に、乗り出し始めるようだ。ボーイング社、GE社などがそれだ。GE社は航空機のエンジンを、製造している会社であることは延べるまでも無い。

現段階で、イランが輸入を希望している航空機の数は、250機から400機だ、とイラン政府のスタッフが語っている。それが膨大な金額になることは、述べるまでも無かろう。イランにとっても欧米にとっても、機は熟したということではないのか。