クウエイトの国会議員であるサーレハ・アーシュール氏が気になることを言い出している。
彼の話によればシリアから続々と、数千人のジハーデストが出国している、というのだ。彼等はもちろん外国から集まったジハーデストであり、湾岸から行った者も多く含まれている。こうした状況の変化は、アメリカやイギリスのシリア対応の、変化によるものと思われる。
彼らジハーデストは当然のこととして、出身国に戻るわけだが、そのなかには、クウエイトに帰国する者たちもいるということだ。
サーレハ・アーシュール氏はシリア内部の状況が急激な変化をしており、シリアから外人ジハーデストを追い出す圧力が、かかっているというのだ。そのために2万人を超える湾岸や、その他のアラブ出身のジハーデストたちが,シリアを離れざるを得なくなっているということだ。
サーレハ・アーシュール氏はクウエイトの内務省に対し、彼等の帰国によって発生する危険を避ける、対策をとるよう呼びかけている。
同様の現象が過去にも起こっている。それはアフガニスタンでのソビエトとの闘争が、終了した後のことだった。多くのジハーデストたちが、それぞれに自国に帰っていったが、彼等は自国内でテロ活動を、起こしたことがある。
これまで報じられた情報によれば、湾岸諸国からのジハーデストも多数いたが、それ以外にチュニジアやエジプト、リビア、トルコからも、ジハーデストはシリアに駆けつけていた。
つまり、同様の心配がこれらの国々にもあるということだし、トルコはシリアに隣接するだけに、相当の影響は否定できまい。しかも、トルコの場合シリアへの経由地としてジハーデストたちの、リクルート事務所もあることから、今後ジハーデストたちがトルコ国内で、活動する懸念も大きくなっていこう。
トルコには既にジハーデストのための訓練キャンプも、出来ているという情報もあるし、彼等の事務所が複数個所にある、とも伝えられている。
イギリスを始めとした、かつてイスラム地域を植民地に置いていた国々からは、多数のジハーデスト(たとえば英国籍のインド系ムスリム)たちが自国内で、テロ活動を活発化していくことは予測に難くない。
イギリスやフランスは既に、そのための対応策を考えていることであろう。しかし、対応策の度が過ぎると、ますます国内は緊張し、混乱していくことになる危険もあろう。こうした問題への対応では、手加減が難しいところだ。