イギリスとイランの私設銀行との間で、長い間もめていた問題が、解決しそうだ。確かこの話はだいぶ前に、ご報告したような気がする。
イギリスにあるイランのメッラト銀行が、イランの核開発に関連しているという疑いで、イギリス政府の非難を浴び、損害を被ってきていた。イギリスは自国だけではなく、ヨーロッパ諸国やアメリカに対しても、このメッラト銀行の問題点を、指摘していたようだ。
結果的には、メッラト銀行とイランの核開発とは、何の関係も結び付きもないということになり、イギリス政府はメッラト銀行に対して、40億ドルの損害賠償をすることになるようだ。メッラト銀行の弁護士は、39億ドル分の損害賠償を手にすることを、推定していたようだ。
メッラト銀行側に言わせると、イギリス政府による営業妨害で、ビジネスチャンスを逃した損失、顧客の喪失、銀行間関係の喪失、サービスに滞りなどが起こっていたと訴えていた。
さて、財布の固いイギリス政府が、イランの私設銀行との訴訟で敗北し、巨額の賠償金を支払うことになったということは、何を意味しているのであろうか。この疑問は専門家の間にも、広がったようだ。
専門家たちは、今回のイギリスの賠償金支払いは、イギリスが法に基づいた決定を下す、明確な法治国家であることを、世界に宣伝できると言っている。同時に、イギリスの法が政府から、完全に独立して存在していることを、印象付ける効果があったとも評している。
しかし、イギリス政府との間で問題になっているのは、メッラト銀行ばかりではない。他のイランの企業も本格的に、訴訟を始めるかもしれない。同時に、イギリス以外のヨーロッパの国々との間でも、訴訟が始まる可能性があろう。
イギリスが40億ドルという大金の支払いという、大盤振る舞いをして見せた裏には、今後拡大するイランの商権が、関わっているのではないか。
この話には何かオチがありそうな気がする。まるでシェークスピアかシャーロックホームズを、想わせるではないか。