ロシア与党の議員が、とんでもない発言をして、問題になっている。その問題発言をしたのは、オレグ・ボリチェフ議員で、議会の討議のなかで、彼は『ユダヤ人どもがロシアを、1917年と1991年に破壊した。』と語ったようだ。
述べるまでも無く、1917年の破壊とはロシア革命のことであり、1991年の破壊とはソビエト連邦が、崩壊した年のことだ。つまり、彼の考えでは、1917年のロシア共産党革命は、ユダヤ人によって仕掛けられたものであり、1991年のソビエト連邦の崩壊も、ユダヤ人によって、仕組まれたということだ。
この発言はユダヤ人議員の発言に対して、返答したものであり、彼は日本風に表現するならば『薄汚いクソッタレ・ユダヤ人』と怒鳴り、次いで『ユダヤ人どもがロシアを、1917年と1991年に破壊した。』という発言になったようだ。
当然のことながらユダヤ議会は、オレグ・ボリチェフ議員の発言を問題とし、査問するよう要求した。与党の議員仲間からも、オレグ・ボリチェフ議員を与党から追放すべきだ、という声が上がっている。
オレグ・ボリチェフ議員は後に、非難したのはユダヤ人ではなく、当時、ロシアを崩壊に導いた、裏切り者たちのことを言ったのであり、反セム発言ではない、という内容の言い訳をしているようだ。
問題は、オレグ・ボリチェフ議員がどう語ったのか、ということにもあるが、そのような内容の発言が、公の場面で語られるということだ。もちろん、一般人や仲間同士の内輪の会話のなかでは、相当厳しいユダヤ人非難が、語られているということであろう。
ロシア帝国の時代には、ユダヤ人に対する大量虐殺が続いた時期があり、ユダヤ人虐殺はポグロムといわれて、いまだに伝わっている。その後にはドイツのヒトラーが先導した、ホロコーストと呼ばれる、ユダヤ人に対する大量虐殺がある。
今回のロシアでのオレグ・ボリチェフ議員発言が、今後問題化していくのか、あるいは時間が消し去ってしまうのかが、重要な点であろう。
最近になって、ヨーロッパ各国でもネオ・ナチ・グループが誕生した、というニュースが頻繁に伝わって来るし、イスラエルに対する学者会議などへの、参加を拒否する動きも、何度と無く起こっている。
このところ、イスラエルに対するおおっぴらな拒否行動は、イスラエル製品の不買運動であり、それには『ユダヤ人による非合法なヨルダン川西岸地区への入植と、そこで生産されたものに対する不買』という説明がなされている。