中東からサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣が、辞任するという情報が伝わって来ている。
サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣が辞任する理由は、サウジアラビア政府の外交上の、失敗によるものだということだ。つまり、外務大臣を入れ替えることによって、新しい外交を展開しようということであろう。
そうなるとすれば、サウード・ファイサル外務大臣の外交の舞台は、つい最近開催された、ジュネーブ会議が最後ということになるのであろう。サウジアラビアばかりではなく、他のアラブ諸国も外交の転換を、余儀なくされそうだとアラブの専門家はみている。
さて、サウード・ファイサル外務大臣の後任に、誰が就任するのかということについては諸説あるが、そのなかで最も有力な候補として、アブドルアジーズ・ビン・アブドッラ―王子の名が挙がっている。彼は現在外務副大臣であり、順当な昇格人事ということであろうか。
しかし、もう一人の有力者の名前も噂に上っている。それは元情報長官を務めた、トルキー・アル・ファイサル王子だ。一説によれば、彼が外務大臣に就任する確率は、アブドルアジーズ・ビン・アブドッラ―王子よりも高い、ということだ。
このような問題が持ち上がったのは、述べるまでもなく、サウジアラビアの外交が失敗し、シリア問題がサウジアラビアの望まない方向に、向かっていることに対する不満からだ、と言われている。
シリアのアサド大統領追い落としのために、サウジアラビア政府は巨額な出費をしたにもかかわらず、アサド体制はいまだに盤石であり、アメリカは次第にシリア問題から、手を引きつつある。
このサウジアラビアのシリア対応の失敗の裏には、バンダル情報長官の存在があることも、忘れてはなるまい。同長官の考えで、シリアの反体制側には大量の武器が送られ、資金も供与されてきていたからだ。ここに来て、そうしたいままでのサウジアラビアの動きを、再検討することになるかもしれない。