エジプトで1月14日15日に実施された、新憲法是非の国民投票結果が、ほぼ出たようだ。その結果には、最終的なものでないために、多少の差異があるが。大体の判断は出来そうだ。
エジプトのサバア・アッヤーム(7Days )というアラビア語のサイトでは、投票率が38・6パーセントで、新憲法を支持の得票率は、98・1パーセントと伝えている。
同じエジプトのアハラム・オンライン(政府系新聞)では、97・7パーセントが新憲法支持票を投じたと伝えている。アハラム・オンラインでは全投票率は伝えていないが、エジプト各県の新憲法への支持投票率を細かく伝えており、全体的に95パーセントを上回っている。
最低の支持投票率を記録したのは、ワーデイ・ガデード県で93・3パーセント、最高の支持投票率を示したのは、ダクヒリヤ県で99・1パーセントとなっている。
エジプトの首都カイロ市は95・2パーセント、カイロ市に隣接するギザ市では、98パーセントとなっている。ギザ市の支持投票率が高かったのは、ギザ市にはカイロ大学があり、大学内外でムスリム同胞団が主導する、デモが激しいことに、反発した結果かも知れない。
文頭で示したように、投票率が38・6パーセントに達したということは、ムスリム同胞団の立てた、モルシー大統領候補が獲得した、30パーセントの得票率よりも、高いということであり、明らかにムスリム同胞団への支持を上回っており、新体制は力を得たということであろう。
この後は出来るだけ早く、臨時政府は新大統領選出のための選挙を実施し、新たな体制をスタートさせるということであろう。
エジプト国民は総じて明るい性格であり、我慢や忍耐を嫌う傾向がある。現在のようなムスリム同胞団主導の、流血デモを嫌う傾向がある。そうなると新体制が出来、その体制が強権であれ何であれ、国内を一日も早く、安定させてくれることを願っていよう。
そのためには、シーシ国防大臣が新大統領に就任することが、最も好まれるということだ。エジプトから来日した友人が『わが国はどうなるのか?』という質問を向けてきたので、『今年後半から安定に向かう』と明るい見通しを披瀝した。
その理由を幾つか挙げると、彼は私の意見に納得し喜んでいた。各国の政治動向には、それぞれの国の国民性が、大きく影響を及ぼすのだと思う。シーシ国防大臣が獲得する大統領選挙得票率は、これでほぼ確実に、95パーセント以上を記録することになるのではないか。