『今日からエジプト新憲法国民投票開始』

2014年1月13日

 

 エジプトでは昨年630日、世俗派の大規模デモが起こり、それを受ける形で軍が立ち上がり、ムスリム同胞団の結成したモルシー政権が打倒された。以来臨時政府がエジプトを導いてきていた。

 この臨時政府にとって、最優先で進めなければならない問題は、憲法の改正とその新憲法を国民投票にかけて、正式なものにすることだった。その手順を踏まなければ、正規の政府を樹立することも、国会議員選挙を実施することも、大統領選挙を実施することも、出来ないからだ。

 その新憲法を国民投票にかけて是非を問うのが、114日、15日に行われる投票だ。この手続き前の段階では、国会議員選挙を先に行い、大統領選挙をその後に行う、という手順だった。

 しかし、その後臨時政府は国会議員選挙に先立って、大統領選挙を実施する方針に変えた。それは一日も早く、エジプトの国内を安定させたい、という意向からであろう。

 つまり、1415日に行われる新憲法への国民投票の結果が、今後のエジプトの行方を決める、と言っても過言ではない、重要なものなのだ。

 国内では1415日に実施されるが、国外では既に投票が行われ、その結果が政府に報告されている。それは国内投票の結果と合わせて、最終結果を発表するためだ。

 さてその国外での投票結果は、どのようなものであろうか。エジプトの隣国リビアでは975パーセントが新憲法を支持するイエスに投票した。イタリアでは99パーセント、カタールでは97パーセント、レバノンでは953パーセント、サウジアラビアのジェッダでは9811パーセント、サウジアラビアのリヤドでは978パーセント、ロシアでは93.6パーセントが新憲法に、賛成票を投じている。

 この新憲法への賛成票は、そのままシーシ国防大臣が、大統領に立候補した場合の、得票数になるものと思われる。イギリスのガーデアン紙は、国民の支持でシーシ国防大臣が、大統領選挙で当選すると書いている。

 これでエジプト国内の混乱は、ほぼ終わりではないか。新年の予想で書いたように、エジプト国民は一日も早い、国内の安定と経済の活性化を望んでいるのだ。そのためには、軍による国内統治が徹底するのが一番いい、といいことであろう。