『バハレーンは危険水域に達したのか』

2014年1月13日

 

 以前、バハレーンの反政府運動が、平和的なデモから武力闘争に、変換していくのではないかという懸念を書いた。それがどうやら、懸念ではなく現実のものに、なりつつある気配がしてきたようだ。

 先日、バハレーン政府は外国からバハレーンに、大量の武器を持ち込もうとする一団を、逮捕したと発表したのだ。その押収品はイラクから流れてきたもののようだが、9メートルあるスピード・ボートで、バハレーンに向かっていたということだ。

 積荷はC4という名の爆発物が38パック100キロ以上あり、それ以外にも31クレイモア地雷31個、磁石型爆弾6個、アーマーピーシング地雷12個、イラン製手りゅう弾50個、295起爆装置、機関銃、弾薬などが大量にあったということのようだ。

 このなかで気になるのは、爆発物の梱包が極めて専門的な方法で、行われていたということであり、外国でバハレーンの政治運動に関与している者は、多数の死傷者が出るように、計画しているということであろう。

 この武器密輸について、バハレーンの反体制派組織ウイファークは、全く関与していないと明言している。またバハレーン内部の、イランやイラクと連携して、武力闘争をしようとするグループについても、関係していないと語った。

 ウイファークはそうであるとしても、他のグループがバハレーンの反体制運動を、過激化しつつあることは事実であろう。そうなると、バハレーン政府もこれまで以上に、反政府運動に対して、強硬な対応をせざるを得なくなるということだろう。

 そのことは、バハレーンが確実に大混乱に向かっていく、ということではないのか。そして、それはバハレーンとコーズウエー橋で繋がるサウジアラビア、なかでもシーア派のアルカテイーフの住民に、少なからぬ影響を及ぼそう。バハレーンの反政府運動は、結果的にサウジアラビアの、不安定化にも連結していくのではないか。