2020年の東京オリンピックには、世界中からお客様が訪問すると、誰もが予想している。なかでも発展著しい東南アジアからの訪問者の数は、相当なものだろうと思っている。
そこでいま話題になっているのが、東南アジアの人たちのほとんどが、イスラム教徒だということだ。彼らはハラールの食事しか食べないのが普通だ。そのハラールの食事や製品とは何か、ということが話題になり、次いでレストランやホテルが考えているのは、どうしたらイスラム教徒のお客に、問題の無いハラール料理を、提供できるかということだ。
私も今年の早い時期に、ハラールに関する案内書を出版する予定になっている。現在幾つかの組織がハラール認定機関として売り出しているが、実はこのハラール食品やハラール製品の認定は、そう簡単ではないのだ。
タイではハラール食品の輸出が、だいぶ前から行われているが、それはタイの南部はイスラム教徒人口が多いためだ。主に鶏肉の冷凍食品を、中東地域に輸出している。当然のことながら、結果的にタイではマレーシアと並んで、ハラール食品や製品に関する研究が進んでいる。
タイのチュラロンコン大学のハラール科学研究所長である、ウイナイ・ダハラン教授は『ハラールの認証ラベルを、あまり信用すべきでない。』とコメントしている。
彼は『大丈夫だと思っているときこそ、事故を起こすのと同じで、ハラールのラベルが張ってあるから、大丈夫だと思うことは、間違いを起こすことに繋がる。ハラールの認証は必ずしも厳密な検査の結果、出されているわけではないからだ。』と述べている。
しかし、今ではハラール・フード・ビジネスが、異常なまでに拡大しており、1兆ドルにも達しているという現実がある。しかも、その額は2030年には2兆ドルに達するだろうと予測されている。
しかし、ウイナイ・ダハラン教授に言わせると、ハラールフードの生産と輸出に携わっている企業は、イスラム教徒やイスラム教国ではない場合が多いというのだ。たとえばブラジル、アメリカ、中国、インド、タイなどだ。同教授は厳密に言うと、ハラール食品を製造することは、簡単ではない。十分な指導と投資が必要だというのだ。
食品ばかりではなく、化粧品にもハラール製品として、認定できないものがある。それは材料に豚の脂肪が、混入されている場合が多いからだ。また、魚の加工食品にも油断は出来ない。味付けに豚の脂肪や、肉が混入されているからだ。豚から出来たゼラチンは、魚加工食品やケーキ、菓子類にも使用されているのだ。
1970年初期に、アラブのオイル・ブームにあやかろうとして、町医者がイスラム組織を結成し、患者を全てイスラム教に入信させたと偽り、アラブ産油諸国から援助金を取ったことがある。もちろん、それは後にバレて大問題になったことは言うまでもない。
この話の落ちは、主役の町医者が第二次世界大戦の時に、731部隊と呼ばれた毒ガスを始めとする、化学兵器開発に関わっていた人物であり、戦後も政界ジープ事件の主役であったのだ。
さてこのブログを読んでみて、日本のハラール認定機関を信用できますか。日本のハラール認定機関はイスラム教徒ではない人たち、あるいは新参のイスラム教徒によって、運営されているのではないか。彼らはイスラム教の知識を十分持っていますか。食品の成分分析をするラボを持っていますか。
彼らにはイスラム教徒に禁じられた(ハラーム)食品を、口にすることを真剣に防ごうと考えている人たちですか。彼らは宗教に対する敬意を持っていますか。彼らはこのハラール認定ビジネスをするために、臨時にイスラム教徒になっただけの人たちなのではないですか。