『比較的穏やかなスタートを切った中東諸国』

2014年1月 1日

 

 年の初めにいやな出来事があると、その一年が何と無く嫌なことが重なるのではないか、と思えるのだが、今年11日のニュースは、暗いといえるほどの出来事も、危険な前兆も、悲惨なことも、起こったと伝えていない。

 あくまでも、他の月に比べての話でしかないが、中東諸国は今年、比較的安全なスタートを切ったのかもしれない。そのような雰囲気のなかで、トルコのエルドアン政権をめぐるニュースは、例外的に少し暗いと言えそうだ。

 逆に、バハレーンの動向では、政府と反政府側が話し合いに入りそうだ、という情報が伝わってきている。そうあって欲しいし、何とか話し合いがうまくいって欲しいものだ。

 シリアからは政府軍が鎮圧に成功し、イランの支援に謝意を述べている、というニュースが流れている。シリアの場合はどちらが勝つにせよ、一日も早く決着が付くことが、シリア国民を苦しい状況から、救うことになろう。

 イスラエルとパレスチナに関して言えば、アメリカのケリー国務長官が年初に、また中東に足を運ぶようだが、根本的な問題の解決を望んでいる感じはしない。アメリカはあくまでも、同国が中東和平で努力をしている、というポーズを示したい、ということではないのか。

 中東諸国が不安定な状態にあるのは、アメリカの問題への取り組み方に、多分に負っているのではないかと思われる。アメリカがもう少し積極的に、公平な介入をすれば、問題の多くが解決の方向に、向かうと思われるのだが、そうはなっていない。

 アメリカはややもすれば、軍事介入や兵器援助をしようとするが、それは問題を複雑にするだけで、問題の解決には結びつかないのでは無いか。そのアメリカの方針が最近、同国の経済苦から思うように実行できないことが、問題をますます混乱させているのであろう。

つまり、アメリカ自身がどうしたらいいのか分からずに、ふらついている感じがするのだが。これでは他の国々もどう対応すべきか腹をくくれまい。そうしたなかでは、中国のような自国中心主義の国の、横暴な対応が目立ってこよう。

 2014年、アメリカは兵器の援助や軍事介入ではなく、知恵を絞り、誠意のある問題解決に取り組む、始まりの年にして欲しいものだ。アメリカはいまだに、世界一の実力を持つ国であることを再確認し、自信を持って世界に正義を実現する国に、なって欲しいものだ。