『エルドアン首相の子息に遂に手が回るか』

2013年12月27日

 

 トルコのマスコミは今、エルドアン首相の家族にまで、スキャンダルに関わる取り調べが広がるのか否かで、持ちきりになっている。マスコミはこれまでの検察と警察の捜査で、内閣が改造されるまで進展したことを、重く受け止めているようだ。

 最近、トルコの幾つかの新聞は、エルドアンの家族や側近たちにまで、捜査の手が伸びる、と予測する記事を書いている。それはエルドアン首相の子息であるビラール氏が関係する、NGOのスキャンダルをめぐる記事だ。

 これは建設事業にこのNGOが、関与していたということのようだ。イスタンブール市がこのNGOに、許可を出していたということであり、明らかな汚職であろう。

 既にイスタンブール市長は逮捕されているが、彼はAKPの党員でもある。どういうわけか、彼は逮捕後に釈放されているが、それ以後彼に対する取り調べは、行われていないということのようだ。

 つまり、もしイスタンブール市長に対する取り調べが進んだ場合、エルドアン首相の子息のことも、明るみに出てしまう可能性があり、上からの力でそれが、止められたのかもしれない。

 しかし、その程度で問題が解決するとは思えない。多くの検察や警察の幹部の首が飛んでいるが、とてもスキャンダルを隠し通せる、とは思えないからだ。既にトルコのスキャンダルは欧米の知るところとなり、欧州議員会議が公正な問題の処理を、進めるべきだと言っている。

アメリカも今回のトルコのスキャンダルに絡んだ、在トルコ・アメリカ大使批判については、名前こそ出していないが、エルドアン首相に対し、厳しい意見を述べている。いわく『トルコ・アメリカ関係を壊すようなことはするな。』である。

 今回のスキャンダル事件では、以前にも書いたとおり、検察と警察が本腰を入れている。したがって、今後エルドアン首相からの圧力が強まれば強まるほど、頑なになっていくのではないか。トルコ人の性格はそのようなものの気がする。

 今後、捜査の手は広がり閣僚、学者、財界人、そして彼等の子息たちと広がっていこう。そうなれば早晩エルドアン首相の子息にも、手が及ぶということではないのか。