現在の中東地域はどうも、狂気の嵐に見舞われているようだ。これまでの常識では起こりえないことが、次から次と起こっているのだ。
その最たるものは、中東の大雪であろう。イスラエルの北部や占領しているゴラン高原は、真っ白な雪に見舞われているし、エルサレムも雪化粧の、クリスマスを迎えそうだ。
中東の降雪はイスラエルに限ったことではない。シリアやその他の国でも降っているし、驚いたのはエジプトのカイロでも、雪が積もったことだ。エジプトでの降雪は、100年振りということらしい。
パレスチナのガザでは大洪水で、通りを船で行き来している写真が、掲載されていたし、サウジアラビアでもやはり、洪水の写真が紹介されていた。下水工事が施されていない中東の街では、たちまちにして水が街に氾濫するのだ。
当然のことながら、中東のブログを見ていると、各地の雪景色の写真が並んでいる。その静かな風景の裏では、相も変わらず無残な殺戮が、繰り返されているのだ。
イラクでは何十人という市民が、爆弾テロの犠牲になっている。イラクの場合あまり日本では報道されないが、毎日のように何十人という犠牲者が、出ているのだ。
シリアもしかりだが、ロシアはついに重い口を開き、真実を語り始めた。それは、8月に起こった化学兵器の使用による大量殺戮は、シリア政府の蛮行と報じられていたが、そうではなく、反政府テロリストによる犯行だ、と明かしたのだ。それは事実であろう。
当時、シリア政府は国連に調査団の派遣を、申し入れていた時期であり、その調査団がシリアに入国した直後に、シリア政府が化学兵器を使うことは、常識的に考えてありえないからだ。
トルコでも信じられないようなことが、起こっている。エルドアン首相はゲジ公園でデモをした者は、クーデターと同じであるという判断から、軍事法廷で裁く、と言い始めているのだ。
トルコ政府がサウジアラビアや、カタールから届いた武器を、反シリア政府側のテロリストに手渡していることは、以前から言われていたが、それが公文書の形で、明かされることになった。ダウトール外相はこれまで、武器は一切シリアの反政府派に、渡していないと言ったのは、嘘だったということだ。
それ以外にも、大量の武器を積んだトラックが、国境近くで警察に捕まったが、彼等は今まで何の問題もなく、武器をシリア領内に運べていたということだ。つまり、トルコ政府がそれを黙認していた、ということであろう。
こうしたことに加え、与党(AKP)が決定した、私学の閉鎖問題が大きな話題となり、最近になって与党(AKP)を離脱する、同党幹部議員の数が増してきている。場合によっては、AKPの分裂もありうるということだ。
トルコではこれ以外に、ギュレン氏が率いるヒズメトの学校に対、FBIが立ち入り調査をしている、というデマ情報がマスコミで伝えられてもいる。まさに宣伝合戦というところであろうか。このため、トルコでは報道の自由が次第に制限されてきている。それを一番懸念しているのは、EU諸国のようだ。
最後の最も重要なニュースをご紹介しよう。それはメッカとメジナの守護者と国王が自任するサウジアラビアで、神アッラーの言葉をまとめた聖典コーランが、大量に下水に捨てられていたことが発覚した。そのニュースは写真入りで報じられていることから、ほぼ間違いあるまい。
あり得ないことが重なって起こった中東地域に、来年はどんな年になるのだろうか。多分に、これまでの常識では予測付かないことが、起こるのではないかと思われる。