『サウジ皇太子外される?バンダル王子の暴走』

2013年12月16日

 

 イランのプレス・テレビのサイトが、とんでもないニュースを流した。それによれば、サウジアラビアのバンダル情報長官が、サルマン皇太子をそのポジションから、外す工作をしているということだ。

 バンダル情報長官はササルマン皇太子の健康状態が悪化しており、とても任務を果たしきれない状態にある、という噂を広げているということだ。このバンダル情報長官の流す噂は、サウジアラビア王族の間では、誰もが知るところとなっていよう。

 バンダル情報長官はサルマン皇太子の後釜として、ムクリン王子(62歳ハーイル州知事)を充てることを、考えているようだ。そうだとすれば、このバンダル情報長官の行動は、サウジアラビア王家内のこれまでの年功序列を、崩すことが、その根本にある動きであろうと思われる。

 バンダル情報長官はこれまで、駐アメリカ・サウジアラビア大使として、ブッシュ時代には極めて親密な関係を、構築してきている。そのことは、CIAと彼と彼との関係が、相当強いことも意味していよう。

バンダル情報長官の行動は、これまで意表を突くものが多かった。例えば非公式だが、彼はイスラエルのモサド(情報機関)と、親密な関係にあるといわれているし、イスラエルを訪問してもいる。最近では、ヨルダンのアカバ市で、秘密の会合を持った、という情報もある。

バンダル情報長官はシリアについても深く関与しており、強硬な立場をとっている。つい最近出てきた情報によれば、カタールはサウジアラビアと並んで、シリアの反政府派を支援してきたが、ここにきてその役を降りたということだ。

そうなると、サウジアラビア王室内では、シリア対応を巡って、意見の対立が出てくることは必定だ。バンダル情報長官の今回の動きが事実であるとすれば、それはシリアをめぐる意見の対立から、出てきたのではないか。

アメリカはシリア問題から腰を引いてきてはいるが、完全に手を引いたわけではない。今後もシリアのアサド体制に圧力をかけながら、有利な交渉をしていく、ということではないか。

そうであるとすれば、バンダル情報長官の蛮勇は、アメリカ政府が裏で歓迎している、ということではないのか。もちろん、イスラエルはシリアのアサド体制打倒を、相変わらず叫んでいる。多分にバンダル情報長官は、イスラエルとの連携、アメリカの裏側からのサポートの中で、動いているのではないか。

 バンダル情報長官の蛮勇の情報は、イラン発であるが一考の余地がある、ということではないのか。