インドネシアで開催された、海上安全国際シンポジュームの折に、イランのサッヤーリ提督と、日本の海上自衛隊河野海上幕僚長との、会談がもたれた。
このなかで両者は、北インド洋、ホルムズ海峡、オマーン湾などでの、安全上の協力について話し合った。
また、イランと日本との間で、学生の交換留学をすることについても、話し合われた。
イランはこれまで、アデン湾とその周辺地域で、海賊対策に貢献してきていることは、国際的にも周知の事実だ。
さて、国際会議の席上とはいえ、あまりにもタイミングのいい、話し合いではないか。中国が空域を広げているが、それは空の下で活動する海上戦闘艦を、守ることを前提にしていよう。
そうなると、日本がその中国の横暴にどう対応するか、ということが重要になるが、日本はこれまで周辺諸国との協力による、中国包囲網のような構想を、持っていたようだ。
インドとの協力関係や、ベトナムとの関係、インドネシアやマレーシア、そしてフィリピンとの協力は、極めて重要であろう。それにイランが加わってくれれば、日本にとっては大歓迎であろう。
イランがそのような日本の事情を、知らないはずはない。その日本の事情を十分わきまえた上での、今回のアプローチであろう。そのような場合、すべてが日本にプラスとまではいかないが、一定のプラスなことはある。
単純な言い方が許されるならば、中国を囲んで、世界各国と共に大きな声で中国を非難することが、一番効果なのではないか。
イランのこのアプローチは、今後の二国間関係の上でも、極めていい意味合いを含んでいそうだ。