『誰がシリアの子供たちを殺す原因を作ったのか』

2013年11月24日

 

 イギリスのBBC放送のブログで、シリアの内戦で犠牲になっている子供たちの話が掲載された。各種の機関のデータなどを下にして書き上げられたものだが、その内容はとても人間が行っているとは、信じがたいほど残酷なものだ。

 子供たちが学校に向かう途中で、爆弾や砲弾で死亡するのは、内戦状態であればありうることなのだが、子供たちを狙って撃ち殺す、というケースが少なくないようだ。

 つまり、子供たちは子鹿か何かを、狩でもするような感覚やゲーム感覚で、撃ち殺されているということだ。そればかりではない。いたいけな子供たちが、政府軍や反政府派テロリストに捕まり、拷問を受けて殺されるというケースも、少なくないようだ。

 そのような形で殺されたシリアの子供たちの数は、既に11420人にも上り、764人が殺害され、389人が狙撃手によって殺害され、乳幼児を含む100人は拷問で殺されたということだ。

なかでも劣悪なのはアレッポでのケースで、犠牲になった子供たちの数は、2223人にも上るということだ。アレッポがシリア北部の大都市であり、反政府派のテロリストが多く、戦闘も激しいことが、その原因であろうか。

犠牲者数を都市別に分けると、ダマスカス1054人、アレッポ985人、デールゾール860人、ハマ892人、ダマスカス郊外720人、ホムス447人、イドリブ426人、デラア406人と報告されている。もちろん、これは正確な数字ではあるまい。シリアは戦闘のさなかであり、正確な犠牲者の数は誰にも分かるまい。

この記事を読んだ後で、読者の皆さんにぜひお願いしたい。どんな状況で子供たちが殺されていったのかを、目を瞑って想像していただきたい。あまりにもむごたらしいではないか。それを我々と同じ人間がやっているということに、気が付いて欲しい。

そもそも、シリアはアサド体制下で、国民は平和に暮らしていた。シリアは豊かではないが、食べ物に事欠くような状態には無かったし、学校教育も充実していた。

そのため、多くの日本人がエジプトの他に、シリアのダマスカスに留学していたのだ。シリア人は親切であり、食事もうまいところだった。それが今では悲惨な状態になり、200万人を越える難民が周辺諸国に逃れ、寒い冬をテントの中で過ごすことになるのだ。体力のない子供たちは、この寒さの中で病気にかかり、死んでいくだろう。

 

そのような地獄をシリア人にもたらしたのは、西側諸国ではないのか。あるいは湾岸の石油大産油諸国であろうか。少なくとも、シリア国民がこの内戦を起こし、今のような状態にまで拡大したとは思えない。読者の皆さんには子供たちが死に行く様と、責任が何処にあるのかを、重ねて考えていただきたい。