湾岸諸国のひとつであるアラブ首長国連邦で、30人のイスラミストが裁判に掛けられることが、明らかになっている。このイスラミスト・グループとはムスリム同胞団組織のことだ。
以前から、アラブ首長国連邦ではムスリム同胞団メンバーの活動が、目立っていたのであろう。湾岸諸国のなかで、最初に公なかたちでムスリム同胞団に対し、敵意を顕にしたのはアラブ首長国連邦の中の、ドバイ首長国だった。
ドバイ首長国連邦の警察長官が、デモを行ったシリア人たちを逮捕し、彼らがムスリム同胞団のメンバーであることが、後になって分かっている。そのことが公にされたのは、述べるまでも無くドバイ首長国だけではなく、アラブ首長国連邦全体の、ムスリム同胞団に対する、姿勢であったからということだ。
それは後に、アラブ首長国連邦外相の口を通じて、明らかにされている。彼はムスリム同胞団の存在が、極めて危険なものだと語っているのだ。
今回はアラブ首長国連邦全体で、30人のムスリム同胞団メンバーが、裁判に掛けられるわけだが、そのなか20人はエジプト出身のムスリム同胞団員であり、残りの10人はアラブ首長国連邦のれっきとした、国民であることが明かされた。
つまり、ムスリム同胞団の活動はアラブ首長国連邦のなかに、しっかり根を張っているということだ。今回の容疑は非合法なムスリム同胞団活動が、これら30人の容疑者を中心にして、行われていたということに加え、募金活動も行われていたことによるものだ。
彼らムスリム同胞団のメンバーは、アラブ首長国連邦のなかにある、イスラー組織と関係が深いことも、明らかになった。このイスラー組織とは政治的な組織であり、エジプトのムスリム同胞団と繋がっているのだ。
このイスラー組織はアラブ首長国連邦政府を、打倒することを目的としているといわれている。もちろん、イスラー組織側は平和的な組織であり、湾岸諸国で活動が禁止されている、ムスリム同胞団とは何の関係もない、と主張している。
この裁判に先立って、アラブ首長国連邦ではムスリム同胞団メンバーが、69人が逮捕されており、現段階では何の法的な措置も受けることなく、投獄されたままになっている。
このアラブ首長国連邦のムスリム同胞団対応が強硬なのか、法にかなったものなのかは、まだ明らかにはなっていないが、獄中にある者たちが拷問を受けていることについては、国際人権委員会がクレームを付けている。