『イスラム議会の創設はムスリム同胞団の国際化』

2013年10月 3日

 いま世界各国を巻き込んで、イスラム議会なる国際組織の結成が、準備されている。これは政治的イスラム組織を集めて、国際組織にするという構想のもとに、進められているようだ。

 この組織が結成されると、その支部が世界中に設置され、各国でイスラム組織が、権力を奪取することを、支援していく方針のようだ。この組織の結成については、国外に居住するエジプト人のリーダーたちが、既に賛成しているということだ。

 そもそもこの組織の結成の前には、同種の国際組織が結成されていたが、それはエジプトのムスリム同胞団のナンバー2であった、ハイラト・シャーテル氏が世話人だったようだ。

 エジプトのムスリム同胞団組織は、トルコやカタール、パキスタンのイスラム学者たちと連絡を取り、オマーン、スーダン、などの著名なイスラム学者も、関与しているということだ。

 既に、これらのイスラム学者たちを集めた会議が、トルコとパキスタンで開催され、サウジアラビアやカタールの学者とも、連絡が取られているようだ。

 この組織は、イスラム国家とイスラミストとの意見の相違を、調整することも行う。例えば、チュニジアで発生している、イスラム政府(ナハダ党政府とイスラム政党(サラフィ運動)との問題の解決などだ。

 エジプトでは追放された、モルシー大統領を支える行動が、この組織によって始められるだろう。その時に、コアになる組織はムスリム同胞団ばかりではなく、他のイスラム組織も参加するように工作されている。

 さて、この段階でイスラム組織である、イスラム議会なるものが世界規模で、形成されるということは、ムスリム同胞団の国外からの圧力が、エジプトにかけられる事を、想像させられるのではないのか。

 ムスリム同胞団はこれまでも、国際的に広いネットワークを誇ってきていたし、その本部に資金が集められ、計画に沿って世界各国に配布されていた。そのような状態を、今回はより鮮明に国際組織化していく、ということであろう。

 これからはイスラム諸国の学者たちが、例えばエジプト政府がムスリム同胞団に対し、一定の限度を超える圧力を加えるような場合、束になって非難をしていくということであろう。

 世界のイスラム法学者が、エジプト政府のムスリム同胞団に対する圧力、強権発動をした場合には、イスラム法を盾に糾弾されることに、なろうということだ。