エジプトでは2011年の革命後、多数の新聞テレビ局が誕生しているが、その中のひとつに、アラビア語で発出されている、サバア・アッヤーム(7デイズ)というのがある。このサバア・アッヤーム(7デイズ)は意外な情報を提供してくれるので、そのブログを毎日チェックしている。
今回7デイズが流した情報は、ムバーラク元大統領の発言内容だった。その内容が意味深長であることから、サウジアラビアのアル・アラビーヤが、早速報じている。
ムバーラク元大統領は『エジプトで2011年に起こった1月25日革命は、アメリカによって2005年から計画されていた。』と語ったのだ。つまり、エジプトの1月25日革命は、エジプト国民の間から起こった、自然発生的なデモに始まる革命ではなかった、ということだ。
ムバーラク元大統領によれば、アメリカは2010年にはムバーラク体制打倒を決定していたということだ。その原因のひとつは、ムバーラク元大統領の後継問題をめぐり、次男のガマール氏に関するものだった。
ムバーラク元大統領は次期大統領選挙について、『新しい大統領は軍の出身で無ければならない。しかし、サーミー・アナンはこの段階では役に立たない。シーシ国防相はよくやっている。』と語ったということだ。
ムスリム同胞団については、モルシー支持デモは、金をばら撒いてやっているものだ、と批判している。シナイ半島のテロリストについても、モルシー大統領時代に脱獄させて、送り込んでいたと語っている。シナイ半島問題では、地域の部族長たちは飾りだけであり、何の権限も有していない。若い過激な連中が牛耳っていると語っている。
モルシー政権が打倒された時期に話題になった、シナイ半島売渡については『ネタニヤフ首相が持ちかけてきたが拒否した。』と語った。
このムバーラク元大統領の発言から幾つかのことが明らかになってくる。
:ムバーラク元大統領は次期大統領選挙には立候補しない。
:ムバーラク元大統領は次男のガマール氏を大統領選挙に立候補させない。
:ムバーラク元大統領はシーシ国防相の新大統領就任を支持している。
:ムバーラク元大統領には受刑中も正確な情報が届けられ続けていた。
ムバーラク元大統領は刑務所にいたというが、実質的には自由な状態にあり、休養をとり、しかも裏から官僚と軍を指揮していた、ということではないのか。