『セルダル・クルチュ在日トルコ大使のスピーチ』

2013年9月12日

911日夜渋谷区にある、トルコが建設したモスク(トルコ人はジャーミイと呼ぶ)で、トルコの南東部アナトリアの、物産展と夕食会があった。私が出席した理由は、『特別の人だけにご案内を出します』という案内文と、トルコ南東部の料理にひかれてだった。

その開会式の中で、セルダル・クルチュ大使がスピーチをした。通常こうしたパーテイで、大使は通り一遍のスピーチをするのだが、昨夜は違っていた。セルダル・クルチュ大使は冒頭に、トルコで亡くなられた日本人女子学生の話を持ち出した。そして心からお詫び申し上げたいと語ったのだ。

セルダル・クルチュ大使は犠牲者のご両親が、トルコに向かう成田にわざわざ出向いて、ご両親を見送ったとも語った。

できれば楽しい会場で、そうした話は避けたかったのだろうが、彼のまじめな性格が、それを許さなかったようだ。東北津波の時も、大使館員ではなく、彼自身が出向いている。

私はパーテイの半ばで、セルダル・クルチュ大使に対し、スピーチへのお礼を伝えた。大使は当然のお詫びを述べたまでの事です、と返答してきた。

 何処の国も間違いを犯すし、犯罪を犯す人たちはいる。今回のトルコのケースは、トルコ人全体からみれば、交通事故のようなものであったのかもしれないが、事件をトルコ国民の多くが、重く受け止めている。

 『ごめんなさい』のプラカードをかざす、トルコ人大学生グループや、現地のホテル各社が送った花輪の写真を目にした。トルコ人の日本好きは、世界で類を見ないだけに、今回の事件は相当ショックだったのであろう。

 そのトルコ人の好意と誠意をしっかり受け止め、今後の両国関係の発展を祈りたい。