アメリカから聞えてくるシリア攻撃に関するニュースは、どこか湿った火薬の 臭いがする。笛や太鼓で大騒ぎした割には、次第に攻撃時期がずれ込んでいるし、世界の各地から反対の声が響いてくる。ご存じの通り、イギリスはアメリカにシリア攻撃をけしかけたのに、結果的には議会の反対で、シリア攻撃に参加しなくなったようだ。
未だに強気にアメリカのシリア攻撃に参加する、と言っているのはフランスだが、そのフランスでも国民の戦争反対の割合は、どんどん高まっている。そしてドイツは吾知らんという感じだ。
アメリカ国内でも、シリア攻撃に反対する動きが、次第に強まってきているようだ。シリア攻撃を本腰で叫んでいるマケイン議員が、地元に帰ってシリア攻撃を口にしたところ、猛反発を食らったということだ。
それを他の議員も見て知っており、軽々にはシリア攻撃を、口に出来なくなっているだろう。そうなると、オバマ大統領のシリア攻撃への気持ちは、次第になえていくのではないかと思われる。
当初、オバマ大統領が語っていたシリア攻撃は空爆だけであり、それも2~3日というものだった。しかし、ここにきてそれだけで重要拠点を、破壊できるのか、という疑問が出始めている。
また、オバマ大統領が語ったような形の攻撃では、反シリア政府側を支援することは出来ても、何も変わらないだろうという意見を言う者もいる。攻撃が簡単過ぎては、何の効果も無いということだ。
それ以外にも、オバマ大統領は結局のところ、地上軍を派遣せざるを得なくなるのではないか、と懸念する人物もいる。
オバマ大大統領の腹が、どこまで固まっているのか分からないが。彼はイスラエルのネタニヤフ首相に対し、攻撃の直前に攻撃を知らせる、と語っているということだ。それは軍事的な機密ということもあろうが、どこか自信の無さを感じるのだが、いかがなものか。
知らんぷりのドイツ、途中で足抜けしたイギリス、賛成と言いながら国連の結果待ちを唱えるフランスと、オバマ大統領は苦しい立場に、立たせられているということだ。
威勢よくアメリカに、シリア攻撃を早く始めろと叫んでいるのは、アラブ湾岸諸国だけではないのか。彼らにしてみれば、アサド大統領体制を打倒してもらわなければ、枕を高くして寝られないからであろう。