『シリア攻撃代金は回収できるとケリー』

2013年9月 5日

 

                   大赤字を抱えるアメリカが、その苦しい台所事情を知りながら、何でシリアに対する攻撃を始めようとしているのか、気になるところだ。実はそれにはそれなりの理由があるようだ。

 ケリー国務長官がアメリカの議員を前に、シリア攻撃の戦費はアラブ諸国が負担する、と語っている。

 つまり今度行われる可能性のシリア攻撃で、アメリカ政府は戦費の負担を、 心配する必要はないということのようだ。

 これが事実であるとすれば、アメリカがシリアに対して攻撃を考えているのは、ある種のビジネスではないのか。正義のもとにアメリカがシリアの独裁体制、化学兵器を自国民に使用する体制に、制裁を加えるという話は、なんとなくグレーに見えてくるではないか。

 アメリカは化学兵器の査察にシリアに入った、国連の査察団に対し、誰が攻撃したかを調べる必要はない、あくまでも化学兵器が使用されたということだけを、調べろと指示したと言われている。

 何故アメリカは国連の査察団に、そこまで指示をする権限があるのか。それを国連が許すとい言うことは、国連機関が国際機関ではなく、アメリカの一機関だということを、世界に向けて公表するようなものではないのか。

 播国連事務総長はシリア攻撃に反対の意見を述べたが、これでは何の意味もなかろう。世界を前に、彼は自分の責任を逃れるために、何の実効性もない発言をした。それが国連の記録にとどめられれば、それで良しということではないのか。

 こうしたことが、何の問題もなく、誰も止められない状況で推移して行くのであれば、国連は存在理由がなくなろう。イギルスのBBCは、シリア危機は国連の危機だという内容の記事を流したが、まさにそうではないのか。

 今回のアメリカによるシリア攻撃については、スエーデンが猛反対しているし、アメリカ国民の半数以上が反対している。エジプトのイスラム教世界で権威のある、アズハル大学総長もシリア攻撃には反対している。

 アメリカの蛮行は、イスラエルの命令によるものだということが、まことしやかに世界中の報道で語られてもいる。これではアメリカ嫌いの世界市民の数が、どんどん増していくのではないのか。

 そして忘れてならないのは、シリア国内にある核施設が攻撃された場合、その被害は想像を超えるものとなるという、ロシアのプーチン大統領の発言だ。それはそうであろう。その責任を誰が取るというのか