アメリカ政府が最終決定する前に、日本の政治家がアメリカによるシリアへの軍事攻撃を、支持する意向を明らかにしている。述べるまでも無く、僅差とはいえイギリスの議会は、シリアに対する軍事攻撃を、否決しているのだ。
1991年に起こった湾岸戦争や、2003年に起こったイラク戦争では、イギリスは戦争開始をあおる側に、立っていたにもかかわらずだ。それが今回は否決する側に回ったのには、それなりの理由があろう。
イギリスが否決に回ったのは、同国が国際正義の側に立っての、判断ではあるまい。あくまでも国内的な事情によろう。それは述べるまでも無く、軍資金の問題であろう。イギリスの財政は逼迫しており、戦争を始める資金が無いからだ。
他方フランスはどうであろうか。フランスは国内法上では、大統領が戦争を決定するにあたり、議会の承認を必要としないとのことだ。同時に、フランスはシリア問題に関して、絶対後れを取るわけには行くまい。それはフランスにとって、シリアはいまだに自国の植民地だ、という意識がフランス政府にはあるからであろう。
しかし、この戦争には初めから正義など無い。化学兵器を使用したのは、反政府勢力であり、サウジアラビアが支援しているヌスラ組織だ。このヌスラ組織はアルカーイダと、強い関係にある組織なのだ。
以前、インターネットで見たのだが、化学兵器が詰まっていたとされるプラスチック容器には、英語とアラビア語で表記がされていた。つまり、欧米のどこかの国で造られ、それがサウジアラビアに輸出され、サウジアラビアからヌスラに渡ったものであろう。
以前にも書いたが、国連にシリア政府が調査を要請し、国連の査察団が到着して間も無く、シリア政府が化学兵器を使うということは、どう考えても理屈に合わないではないか。
そうしたことが、まことしやかに報じられるなかで『化学兵器の使用は反政府側による』という情報が、AP通信のガヴラク記者によって伝えている。その内容は多分正確であろう。その情報が掲載されているサイトには、世界中からアクセスがあり、パンク状態になっているということだ。
この情報が日本人の運営する、サイトに掲載されたことは、日本人の中にも世界の情報を、真剣に追いかけ、できるだけ正しい情報を、伝えようとする人たちがいる、ということではないのか。(http://rockway.blog.shinobi.jp/Date/20130831/1/)
軽率な日本の与党政治家による、アメリカ攻撃を支持発言、それに異を唱えない政府、日本はどうなってしまったのか?