『アルカーイダ次世代はエジプトから』

2013年8月24日

 

 ヨルダンで発行されている新聞に、英字紙のヨルダン・タイムズがある。そのヨルダン・タイムズが最近、ギョッとさせる記事を掲載した。その記事のタイトルは『アルカーイダの次世代はエジプトで生まれる』というものだった。

 確かに、大衆の圧倒的な支持のもとにとは言いながらも、ムスリム同胞団政権が軍の力によって打倒されており、多数の死傷者が出ている。そのことがムスリム同胞団の中の、強硬派を刺激していくということであろう。

 ムスリム同胞団の内情に詳しくない者に言わせれば、ムスリム同胞団の若いメンバーが強硬になり、武力闘争を激化させていくということであろう。その段階で、ムスリム同胞団の強硬派とアルカーイダが連携し、新たなアルカーイダのメンバーが、エジプトの中から多数誕生してくるという考えだ。

 アルカーイダの幹部であるザワーヒリの弟、ムハンマドも軍に逮捕されている。当然のことながら、アルカーイダの幹部はエジプトの若者たちに対し、武器を持って立ち上がり、軍に対抗するよう呼びかけている。

 確かに75日には、エジプトで『エジプト・シャリーア組織』という名の組織が誕生している。この組織は『エジプトでイスラムに対する戦争が宣言された、戦いに備え、武器を持ち訓練を始めろ』と訴えている。

 ムスリム同胞団が政権を担っている時期に、モルシー大統領は多数のイスラム原理主義者や凶悪犯を釈放し、シナイ半島北部に送っており、現在シナイ半島の北部は、ある種の解放区になっている。

 シナイ半島北部はこれらのイスラム原理主義者や、犯罪者によって武器、麻薬の密輸取引ゾーンになっているのだ。もちろん、ガザのハマースが、その協力者になっている。

 したがって、シナイ半島北部の地域はアルカーイダにとっても、自由に行動の出来る地区になっているのだ。そのシナイ半島北部から、エジプト本土に彼らが活動を起こしていけば、エジプト本土内に多数のアルカーイダ・メンバーが、誕生するということのようだ、

 シナイ半島に居住するベドウインも、イスラム原理主義者と連携し密輸の利益を得ているということだ。

 しかし、ヨルダンのジャーナリストの予測とは異なる展開が、これからのエジプトで始まるのではないか。エジプト軍は徹底してイスラム原理主義者を叩くだろうし、その対応は徹底したものになろう。エジプト国民の多数は世俗的な政治が、行われることを期待している。そうなると、イスラム原理主義が拡大する余地は、狭いのではないか。そうあって欲しいものだ。