8月29日に、アメリカがシリア攻撃を始める、という情報が飛び交っている中で、確証はないが、イランを震源地として、シリアのバッシャール・アサド大統領亡命情報なるものが、流れ始めている。
このバッシャール・アサド大統領のイランへの亡命に関する情報は、ツイッターやフェイス・ブックの中で情報が飛び交っているようだ。しかし、いままでのところ、イランの国営テレビはそのことについて、何も報じていない。
アメリカがイギリスと綿密な相談をしている、という情報が流れてくる中では、アメリカによるシリア攻撃は、化学兵器に関連した、施設破壊だけが目的であり、数時間で終わろうという情報までもが、伝えられている。
そうした状況下では、バッシャール・アサド大統領がシリアから逃げ出し、イランに亡命するということは、ありうることであり、あながち否定できないのではないか。
これまでアラブの春革命を通じて、チュニジアのベンアリ大統領が亡命している。リビアのカダフィ大佐は亡命を拒否し、最終的には反政府派の若者によって、殺害されていることなどを考えると、亡命する方が利口だ、という考えも出て来よう。
ただ、いまの段階でバッシャール・アサド大統領が、家族共々イランに亡命した、という情報が事実であれば、彼にはもうシリアの大統領の座に留まる機会は、無くなったということであろう。
今回のアメリカによる、シリア攻撃の可能性について、私はあり得ないのではないかという、予測を立てている。それは、アメリカ国民の半数以上が、シリア攻撃を望んでいないこと、イラクやリビアの例では、アメリカは結果的に嘘を土台に、軍事攻撃をかけたことが、後に明らかになっているからだ。
今回もまた同じ手口で、アメリカがシリアを攻撃したとすれば、世界のアメリカにおける信用は、ガタ落ちになろう。シリアのバッシャール・アサド大統領が、イランに亡命したという情報が、ツイッターやフェイス・ブックで世界中を飛び交っているということは、まさにアメリカの望むところであろう。そして、バッシャール・アサド大統領が亡命をしてくれれば、アメリカにとっては万々歳なのではないのか。
しかし、アメリカが考えるほど簡単に、バッシャール・アサド大統領がシリアから逃げ出す、とは考えにくいのではないか。イランはもとより、ロシアも中国もシリア支持に回っているからだ。そして、イスラエルが一番、今回の危機を危機として、受け止めているからだ。