『モルシー支持は少数派になったエジプト』

2013年7月23日

  2011年にエジプトで起こった第一革命後に誕生した、ムスリム同胞団のモルシー政権に対する支持は、極めて低くなっていることが、世論調査の結果で明らかになった。

  その割合は次のようなものだった、

:強く反対―10パーセント

:反対―61パーセント

:強く賛成―14パーアセント

:賛成―6パーセント

:分からない―9パーセント

 つまり、ムスリム同胞団のモルシー政権に反対する人の割合が、71パーセントにも上り、賛成派は20パーセントでしかなかった、ということだ。都市部の住民の多くが、反モルシーに回り、地方居住者の多くが、モルシー支持ということも言える、

都市部では、17パーセントの住民がモルシー支持であり、77パーセントが反対に回っている。地方では21パーセントが支持で、67パーセントが反対している、という結果が出た。

モルシー氏に対する男性の反対意見は78パーセントで、女性の反モルシー派は65パーセントに上った。

年齢別で言うと、18~19歳の若者のモルシー支持は24パーセント、50歳代以上では14パーセントとなった。若者の間で支持が高いのは、やはり純粋さからであろう。他方、年配者が意外に少ないのは、良きにつけ悪しきにつけ、世の常識を備えているからであろうか。

いずれにしろ、これから当分の間、ムスリム同胞団がエジプトの政治の中枢に戻ることは、無いのではないか。チュニジアでもイスラム原理主義のナハダ党政権に対する、タマッロド(反抗運動)が始まっている。

しかし、社会の出来事は常にブランコであろうから、やがてまたイスラム原理主義が政治の中心に、出てくることはあろう。それがあまり速くないことを祈る。その理由は短期間で体制が変わるようでは、一国の成長の可能性が、低くならざるを得ないからだ。

もちろん、多くの識者はもう少しムスリム同胞団に、政治を任せてみてもよかったのではないか、と思うだろうが、それは後付けであって、現状を変えるものではなかろう。