『シリア軍とFSA(シリア自由軍)が対話』

2013年7月29日

アレッポでシリア軍とFSA(シリア自由軍)の兵士が、話し合いを行ったようだ。内容については、あまり詳しく書かれていないが、どうやら事実であろう。双方は同じシリア人であることを強調するとともに、これ以上の破壊を望まない、というようなことを話し合っている。

シリア軍とFSA(シリア自由軍)との間で、話し合いがもたれるようになったのには、幾つかの理由があろう。それらの理由は次のようなものではないか。

 

:シリアの内戦が2年以上を経過してなお、勝敗が不明な状態にある。

:シリアの内戦には、米、ロ、中、イランなど、多くの国々が関与しているために、シリア人だけでの和平の話が進まない。

:シリア内戦には、世界中から戦闘員が参加している。アフガニスタン、パレスチナ、チュニジア、リビア、ウイグル、チェチェン、ヨーロッパ人などだ。このため戦闘は誰のためであり、何が目的か不明確になっている。

:戦闘に参加している者の中には、殺害だけを目的としているヨーロッパの戦闘員も少なくない。

:外人部隊はシリアの歴史的遺跡の破壊を、何とも思っていない。

:シリアのクルド人は彼らの自由地域設置を、模索し始めている。

 

 シリア軍とFSA(自由シリア軍)が話し合いを始めたのには、アメリカのシリア内戦に対する、立場の変化もあるかもしれない。アメリカは最近になって、シリア内戦への直接的な関与を望まない、という反対意見が多くなってきている。

 したがって、シリアの両派はしかるべき妥協点を、見出す必要が出てきているのかもしれない。

 もし、この動きが本格的なものになれば、エジプトの第二革命同様に、中東地域の紛争諸国に、しかるべき影響を与えていくのではないか、という期待が持てる。大衆は混乱と殺戮に大分まいってきているのであろう。