『エジプトでどんどん出てき始めた本音情報』

2013年6月25日

 昨日は現在のエジプトの権力を握っている人たちのほとんどが、アラブの春革命時に起こった刑務所襲撃事件の折に、脱獄した人たちだというニュースを、お伝えした。

 モルシー大統領もカンデール首相も、カタートニー国会議長もそうだということであり、しかも、彼らだけではなく34人のムスリム同胞団の幹部は、皆刑務所から脱獄した人たちだ、という内容のニュースだった。

 確か、ムスリム同胞団が大統領候補として立てた、最初の人物シャーテル氏は出獄から(脱獄ではない)6年が経過していないために、無効とされたはずだ。それでは脱獄であれば、立候補の権利があるということであろうか?選挙委員会はモルシー大統領が服役中であり、脱獄した人物だということを、知らなかったのであろうか。

 これはとんでもないニュースだと思うのだが、それに類したようなとんでもない発言が、野党側の人師から出ている。例えば、ナセル党のサッバーヒ氏は、ムスリム同胞団が革命に参加したのは、大衆の力に押され警察が引っ込んだ後だったというのだ。つまり、ムスリム同胞団派大衆が成功に導いた革命を、横取りしたということだ。

 それは事実だ。革命のほぼ成功した段階で、若者たちが設営していた壇上に、突然カルダーウイ師が登壇し、若者たちを蹴散らして演説をし、以来、ムスリム同胞団が革命の主流に、取って代わったのだ。

 アングリカン・キリスト教団体は、軍が立ち上がることに期待する、と言い始めている。誰が考えてもこのままでいけば大衝突が起こり、多くの人の血が流されるということからの、必死の叫びということであろう。

 元情報長官であり革命達成後、訪米時に死亡したオマル・スレイマーン情報長官事務所の責任者は『近くオマル・スレイマーン氏とムスリム同胞団の間で行われた駆け引きをばらす。』と語っている。

 カイロ大学教授せエジプト自由党の党首であるハムザーウイ氏は『モルシー大統領はタクフィール(サダト大統領を暗殺した過激イスラム原理組織)のために選出された大統領であり、その政権は腐っている。』と発言している。

 こうした発言や革命の裏話がどんどん出てきているということは、多数の人たちがムスリム同胞団政権の余命は、いくばくもないと踏んでいるからであうか。ムスリム同胞団政権は軍との良好な関係を宣伝しているが、軍はあくまでも、

中立な立場に立つと語ると共に、政治家たちは平和裏に問題を解決するよう1週間の猶予を与えると語っている。その後は軍が立ち上がるということだろう。