カダフィ大佐は膨大な石油収入を、世界中の国々に隠していたようだ。欧米の銀行には、幾ら預けられてあるのか分からない。イタリアやフランス、イギリスなどには、相当額があろうが、それが明らかになり、リビアに全額返還されることはあるまい。
今回持ち上がったのは南アフリカだ。この国の場合はある程度の見当が、付いているようだ。リビア政府が返還を前提とした調査を、南アフリカ政府に依頼したからだ。その額は10億ドルで、ダイヤモンド、金、現金などだということだ。
これらのカダフィ大佐の隠し財宝は、南アフリカの4銀行と金融会社2社に、預けられているということだ。南アフリカ政府がリビア政府の依頼通りに調査を進めれば、あるいは10億ドル以上になるかもしれない。
カダフィ大佐の隠し財宝については、外国に預けられたものに加え、国内に隠匿しているものも、相当額に達しているのではないか。カダフィ大佐の子息サイフルイスラームがジンタンの拘置所で、優雅な暮らしをしていられるのは、その隠し場所をはかせるためではないのか。
カダフィ大佐の隠し財産は、総額で800億ドル程度ではないか、という推測も関係者の間から出ている。800億ドルといえば、現在の交換レートで8兆円ということだから、大変な額に上るということだ。
カダフィ大佐の財産の在りかを知っているのか、サイフルイスラームに加え、カダフィ大佐の側近であった、情報責任者のアブドッラ―・サヌーシー氏と、統合参謀長だったバシール・サーレハ氏であろうといわれている。
この話題が大きくなればなるほど、ヨーロッパのならず者たちは、カダフィ財宝を手に入れようと、冒険心を掻きたてるかもしれない。そのことは、これまでとは違った動きが、リビア国内で始まる、ということではないか。