:イラン
やはり予測していた通り、今回のイラン大統領選挙への、ラフサンジャニ師の立候補は、ハメネイ氏にとって極めて危険な、兆候だったようだ。
ラフサンジャニ師が立候補すれば、当選の確率が低くないからだ。世俗派や改革派の国民、そしてバザール商人たちの支持が、圧倒的に彼に集まる、可能性があるからだ。
改革派や世俗派の国民からすれば、ラフサンジャニ師はイスラム法学者ではあるが、柔軟な思想の持ち主であり、受け入れやすい人物だ。バザール商人にしてみれば、今のような硬直した外交が、ラフサンジャニ大統領の誕生により、改善される期待を同師に対しては持てる。そうなると、これらの国民の票は、ラフサンジャニ師に流れる確率が高い、ということになる。
ハメネイ師側は、法学者協会のスポークスマンである、アッバース・カドウダエイ氏の口を通じて、ラフサンジャニ師の立候補に、クレームをつけている。同氏は名指しこそしなかったが『高齢者には長時間の激務に耐える体力がないので、大統領に立候補するべきではない』と語っている。
結果的に、選挙委員会はラフサンジャニ師を、適格者リストから外すのか否か、そこにイラン国民はいま、注目しているのではないか。
:ヨルダンの経済評価下がる
世界の企業や国家を経済的に判断して評価する、スタンダード&プアーズ社はヨルダンを、BBからBB―に1ランク下げたことを発表した。
その根拠は、ヨルダンに対する外国からの援助が、減少していることを挙げている。ヨルダンは外国、なかでも湾岸諸国からの援助を受けているが、その援助総額のヨルダンのGDPに対する割合が、2011年には5・9パーセントであったものが、2012年には1・5パーセントに下落しているからだ。
ヨルダンの経済状況が悪化していくと思われるのは、石油価格が高騰を続けていることに加え、安価で供給されていたシナイ半島産出のエジプトのガスが、パイプ・ラインの爆破テロなどで、スムーズに流入して来なくなっているからだ。
こうした状況では、ヨルダンデナールの下落、それに伴う物価の上昇、国民の生活苦、そして最も懸念される社会不安が、顕在化していくのではないか。