世界的に知られるアメリカのボストン市で行われる、ボストンマラソンには日本からも参加者がいた。突然起こった爆弾事件で死傷者が多数出たため、世界中にこのニュースが流れた。
日本に在住するイスラム教徒の友人の言葉は『またイスラム教徒のテロということになるのかなあ?』というものだった。そして事件はキルギスタンから移住した、イスラム教徒によって行われたことが、後日明らかになった。
今回の場合は街中のテレビカメラが犯人を捉えていたため、ほとんど間違いはあるまい。ジョハル・ツアルナエフが犯人だった。父親は元弁護士母親は美容師だったということだ。兄弟は3人、そのうちの兄は大学中退、弟はマサチューセッツ州立大学で海洋生物学を学んでいたと報じられている優等生。
アラブのツイッターでは『永住権がありそれなりの生活が出来ていたはずなのに、何故犯行に及んだのか理解できない。』というものがあった。その通りであろう。アラブに住む若者たちはアメリカに移民したいと思いながらも、資金が無くて夢が叶えられない人たちが多いからだ。
イスラム教徒によって世界中で次々と起こされる事件は、欧米や日本に住むイスラム教徒を苦しめているようだ。世界でテロ事件が起こる度に、彼らはイスラム教徒の犯行ではないかと心配しているのだ。
テロ事件が起きたときイスラム教徒の友人から、次のような質問を受けた。『日本の報道ではまたイスラム教徒の犯行と報じていますか?』それに対して『イスラム原理主義者といっている。』あるいは『ジハーデストだと言っている。』と返事をすると、彼は『やはりそうですか。犯人はイスラム教とは関係ないんですけどね。』とのこと。
外国で起こるテロ事件について日本では気楽に『イスラム原理主義者による犯行』『イスラム・ジハーデストによる犯行』といった報道の仕方がされている。
しかし、彼らはイスラム教徒出身ではあろうが、イスラム教を正しく理解している人たちとは、とても思えないことをやっている。人質の首を切り落とし、無辜の民を爆弾で殺し、敵側の捕虜を大量殺戮してもいる。
これはどう考えてもイスラム法(シャリーア)に則った行動ではない。日本にいるイスラム教徒たちが嘆くのは、無理からぬことだ。結果は『イスラム教徒は怖い、イスラム教徒は遅れている』という判断が日本人の多くの人々によってなされるからだ。
日本にいるイスラム教徒の多くは、日本の法律に従って生活しているし、彼らの中には日本の大学を出た人たちが沢山いる。日本人は彼らを正視すべきであろう。善人か悪人かの判断は、その人を知ってすべきだ、安易な報道を通しての判断は、避けるべきであろう。それがイスラム教徒による犯罪を、日本で起こさせない唯一の方法であろう。