『ジハーデストという名の出稼ぎ戦闘員、虐殺嗜好者』

2013年4月 4日

 いま『シリアで戦っているのは誰か?』という疑問が湧いてくる。その疑問に対する一般的な答えは『政府派と反政府派のシリア国民』ということになるのだが、実態は全く異なっている。

 シリアでいま戦闘を展開しているのは、アラブを始めとしたイスラム諸国からの、ジハーデスト(聖戦の戦士)たちであり、シリア国民だという答えが、より正しいだろう。しかし、それも正解ではないのだ。実はヨーロッパから600人以上の若者が、シリアに入り込み戦闘に参加しているというのだ。

 もちろん、彼らはイスラム教とではないし、したがって、ジハーデスト(聖戦の戦士)でもない。彼らヨーロッパから来て、シリアの戦闘に参加している者たちは、出稼ぎ戦闘員であるか、殺人を実際にやってみたいという、虐殺嗜好の者たちだ。

 1975年に始まったレバノン内紛時も、ヨーロッパから多数の戦闘員が参加していた。彼らは虐殺、虐待をすることを趣味として、それだけが目的でやってきていたのだ。

その者たちがヨーロッパに帰国すると、何食わぬ顔で一般市民として、生活するのだから空恐ろしい話だ。彼らがどんな虐殺や拷問をしたのかについては、詳述しないことにする。気持ちが悪くなるからだ。それほど酷いことをやっていたのだ。

ヨーロッパからはイギリス、フランス、アイルランド、フィンランド、スエーデン、アルバニア、オーストリア、コソボ、ドイツから、シリアに2001年に入って、戦闘に参加しているということだ。

この報告はロンドンのキングズ・カレッジが出した、ICSRの報告書によるものだ。イギリスからは134人、フランスからは92人、オランダからは107人、ベルギーからは82人が参加したということのようだ。

アラブの国のなかでは、チュニジアからの戦闘参加者が一番多いようで、数千人の若者が、リクルートされて戦闘に参加しているそうだ。以前にも書いたが、サウジアラビアでは犯罪を犯した者たちに、以前はイラクでの戦闘を、勧めることで罪を許した。

サウジアラビア政府は今回も、シリアで反政府側に立って、戦闘に参加する者には、その特典を与えているようだ。うたい文句は『ジハードに参加すれば天国に入れるぞ。』ということになるのだ。

こうして考えてみると、残虐行為を実行したい者たち(主にヨーロパ人)、まじめにジハードの戦闘に参加したい者たち、ジハードという名の出稼ぎ者、思惑はそれぞれに異なっている。これを一緒くたにして、イスラムのジハードとするのは危険であり、普通のイスラム教徒に対して、失礼であろう・

アメリカには人殺しを専門にする会社が、幾つもあるのだから、サウジアラビアやその他のアラブ諸国の、悪口は言えまい。