『パレスチナ自治政府の内紛結局は金が原因』

2013年3月24日

 

 アメリカのオバマ大統領が、ヨルダン川西岸地区のラマッラ市を訪問したのは、つい数日前のことだが、間も無くパレスチナ自治政府内部では、金と権力をめぐる抗争、が起こっている。

 マハムード・アッバース議長とファッヤード首相との間に、権力闘争が起きているのだ。一説によれば、マハムード・アッバース議長はファッヤード首相を首にし、ムハンマド・ムスタファ氏を後任に、充てたいということだ。

 ムハンマド・ムスタファ氏はパレスチナ開発基金の総裁であり、マハムード・アッバース議長に近い人物だが、パレスチナ開発基金とは2003年に設立された,一企業という形ではあるが、パレスチナ自治政府直轄の組織だ。

 問題の核心は、ガザのパレスチナ自治政府職員に対する、給与支払いをめぐるもののようだ。ファッヤード首相はガザがハマースにコントロールされており、実質的に職員は何もしていないことから、給与の支払いを止めよう、と考えた。

 しかし、それはマハムード・アッバース議長の立場を、弱くしかねないのだ。そのことに加え、ファッヤード首相がオバマ大統領と、個別に会ったことも問題となっているようだ。

 パレスチナ自治政府内部ではファッヤード首相が、マハムード。アッバースを追放し、パレスチナ自治政府の議長に就任することを望んでいる、とも言われている。彼が欧米の信頼を得ていることも、その理由であろう。

こうしたことから、パレスチナ中央執行委員会メンバーのテラーウイ氏が、ファッヤード首相は辞任すべきだ、とコメントした。ファッヤード首相の予算決定が誰にも相談されずに決まったことも、問題だとされている。パレスチナ自治政府の年間予算は、36億ドルと小さな額ではない。

こうしてニュースを読んでいると、いかにパレスチナ自治政府が、いい加減なものであるかが分かろう。首相が一人で国家予算を決められるということは、他の国ではありえないことであろう。