エジプトの情勢

2013年2月17日

 エジプトはアラブの春革命から2年が経過したいま、状況をますます悪化させている。

 失業者が増え倒産企業が増え、観光客は激減している。

 国内不安から外国の投資も進んでいない。

 IMFからの借り入れは、エジプト政府にとって両刃の剣であり、利子を伴う借り入れは、イスラム法違反であり、ムスリム同胞団としては、国民に対する説明が難しい。

 IMFは貸し出す場合、国民の基礎消費物資に対する補助を、減らすことを迫るであろうが、それは国民の反発を買うことでもある。

 例えばパンの価格を一人当たり、一日3枚までは現状のままとし、それ以上は価格を5~6倍に、引き上げるつもりのようだ。

 ガソリン価格も、月150リットルまでは現状価格とし、それ以上は現在の価格の5~6倍に、引き上げるということのようだ。

 

『今後の見通し』

Z・ハワース博士(考古学の世界的権威)

―トラブルはこれから1年は継続しよう。

―ムスリム同胞団の政権は3年半後には潰れよう。

KH・ムターウイ(元情報機関幹部)

―ムスリム同胞団は5月ぐらいまでに打倒されよう。

―大衆がムスリム同胞団を打倒し、場合によってはその後、全権を軍に委ねるのではないか。

S・ガッワード(観光省GM

―ムスリム同胞団による統治が8年間続き、その後は成果次第であろう。

M・ナスル(ビジネスマン)

―混乱は半年から1年続こう。

―その後は政権が変わろう。

:日本人商社マンN

―案外長期政権になるのではないか

―国民はあきらめて抵抗を止めるであろう

 

『武力対立する2グループ』

:ブラック・ブロック

 世俗派の若者で構成され、彼らは一般のデモ参加者は、お祭り気分であり、武力衝突を覚悟で戦う意志は、無いと判断している。

 彼らブラック・ブロックのメンバーは、治安警察と大統領官邸前で、毎晩のように投石火炎瓶で戦っている。従って、彼らのなかからは多数の負傷者や、逮捕者が出ている

 ブラック・ブロックは10~15人規模で構成される、多数の組織が存在しているのであり、横の関係が出来ていないことから、一つのグループのメンバーを逮捕しても、他のグループのメンバー割り出しには役立たない。

 彼らはネット上で、何時何処で何時から戦うかを決めている。

 

:イスラム過激派

 ムスリム同胞団参加の暴力組織であり、彼らは極めて残忍な行動をしている。

 もちろんムスリム同胞団は、この組織が同胞団の下部組織だとは、認めていない。

 革命勃発時に、多くの刑務所が破壊され、凶悪犯も脱獄したが、彼らを含む暴力集団が、ムスリム同胞団の黙認の下か公認の下で、出来ているということだ。