『イランとサウジアラビアそれぞれに内輪もめ』

2013年2月 5日

(イラン)

 イランでは議会が開催されているが、その議場でアハマド・ネジャド大統領とラリジャニ国会議長との間で・相当激しい非難合戦が行われているようだ。

 アハマド・ネジャド大統領は議場で、ラリジャニ国会議長に対しテープに録音したという証拠を公開しながら、家族のダーテイ・ビジネスの実態を暴いた。

 これに対し、ラリジャニ国会議長もアハマド・ネジャド大統領を非難し返すという事態になっている。

 こうなると、今年の6月に予定されている大統領選挙では、双方がばら撒くスキャンダル情報で、共倒れになってしまうかもしれない、という不安が湧いてくる。

 その場合、第三の人物が登場してくることになろうが、こうした事態はベラーヤト・ファギ統治システム(イスラム法学者による統治)にとって。極めて危険な兆候であろう。

 そのため。ハメネイ師は内部対立を防止するように呼びかけているし。イスラム学者として最高権威にある。マルジャエ・タグリードであるアーヤトッラー・ホセイン・ヌーリー・ハメダーニー師とアーヤトッラー・サーフィ・ゴルパーイェガーニー師が、文化的堕落を戒めている。

 

(サウジアラビア)

 サウジアラビアではモクリン・ビン・アブドルアジーズ王子が副首相に就任したことに対し、タラール・ビン・アブドルアジーズ王子がかみついている。 

彼に言わせれば、モクリン・ビン・アブドルアジーズ王子の地位が、あまりにも高すぎるということであろう。

 タラール・ビン・アブドルアジーズ王子はこのことを、ツイッターで流して非難したために、国内に大分両者間の対立問題が広がったようだ。

 そのことは、そうでなくても不安定化しているサウジアラビアの将来を、危うくする危険性があるのではないか。