アラブの春革命から2年が経過したいま、アラブの多くの専門家たちが、何故その後の進展が無いのかを考えている。
そして彼らは、以下の3つの原因が、アラブの春革命を成功に至ることを、阻止していると考えている。
:国内的権力闘争
旧体制下で特権階級にあった官僚や軍幹部の人たちは、未だにその権限と地位からくる利益を、保持しようと考えており、あらゆる抵抗を現体制に対して行っている。この旧体制側だった人たちの抵抗は強く、切り崩すのには、長い時間と大変なエネルギーが必要であろう。
加えて、大衆の側は、革命後に何らの成果も期待できない状態にあるため、現体制を支持することはなくなっている。
:地域諸国の関与
中東地域の国々が自国の利益のために、アラブの春革命の起こった国々に対し、直接間接的に関与し、自国の地域での利益を、確保しようと考えている。
なかでも、サウジアラビアとイランは、それぞれの利益のために、革命国家への関与を強めている。
なかでも、シリアはサウジアラビア、イラン両国が、直接的利害関係にあるため、関与の度合いが強い。
:アメリカの関与
アメリカは中東地域全体に対し、強い関心を持ち、直接的に働きかけている。リビアアの例は典型的であり、アメリカは武器兵器すらも持ち込み、革命闘争を支援した。
しかし、その後アメリカはリビアが混乱することを望み、現段階では手を引いている状態だ。
こうした自国内、地域諸国アメリカの関与問題が、アラブの春革命後の国々の、スムーズな変革を阻害している、というのがアラブ専門家の考えるところのようだ。