『英米のエジプトリビア危険情報は正確なのか』

2013年1月29日

 先に、イギリス政府はリビアのベンガジが危険だという情報を流し、自国民にベンガジからの退去を勧告した。次いで、今度はエジプトのカイロにある大使館を、閉鎖するという決定を下した。

 間髪を入れずに、今度はアメリカ大使館が閉鎖された。これも危険が懸念されるためだ、ということのようだ。

 加えて、今度はリビアの首都トリポリにある、イギリス大使館が攻撃される可能性がある、という警告がイギリス政府から出された。

 世界に冠たるアメリカの情報機関CIAと、大英帝国の情報機関MI-6が出した結論であろうから、相当の正確度なのであろう。

 しかし、この情報を尊重すると同時に、疑いの目でも見る必要があるのではないか。イギリスやアメリカが、他の国々の中東地域での活動に、ブレーキをかけるために、あえて嘘の情報を流すということもありうるからだ。

 この場合、簡単なチェックの方法は、ドイツ大使館はどう判断し、どう動いているのか、フランス大使館はどうかということだ。ドイツ、フランスもアメリカやイギリスに劣らないほど、情報を収集し分析しているからだ。

 残念ながら、日本には情報を収集する能力も、分析する能力もない。問題は先進国が下した判断を、疑う能力もないということだ。

 一定の国の情勢分析は、情報の収集に始まり分析すること、一般常識を疑って何度も、考え直す必要があるのではないか。それは悪い表現が許されるならば、最もスリリングな知的ゲームでもある。

 先日、友人が最も基礎的な情勢分析をする塾を開いた、ということを話してくれた。結構評判はいいようだ。問題はその学習結果が、どう評価され社会に受け入れられるか否かだ。