もう少しは抵抗するのかと思ったのだが、ヨルダン川西岸地区のE-1地区に、テントを張って入植活動を阻止しようという活動は、意外なほどあっさり終わってしまった。
もちろん、テントでの座り込み活動に参加したパレスチナ人たちは、イスラエル軍の命令に従わず、予想通りごぼう抜きにされ、兵士らによって丘から下ろされている。しかし、相当数は自分たちの意志で、テント村から離れているようだ。
イスラエル軍側は今回の作戦で、イスラエル軍にもパレスチナ人の側にも、死傷者は出なかったと言っているが、それはほぼ正しい報告であろう。パレスチナ側の発表でも、一人が負傷して病院に運ばれたということだが、これは多分に宣伝くさい。
それでは今後、今回のテントによる抵抗活動は、どうなっていくのであろうか。一つは逃げ隠れできる、都市部で抵抗活動を展開するのではないか、ということだ。テントを張った抵抗活動は、多分に宣伝を目的としたものであったのかもしれない、世界のマスコミは絵になる素材があれば、それを撮影して報道するからだ。
そうしてパレスチナ問題、なかでも入植の問題を世界に知らしめ、その後に都市部での抵抗活動を展開することによって、何故都市部での抵抗活動が起こるのかを、世界中に明確に知らしめることが出来るかららだ。
その結果、世界の関心が高まり、パレスチナ人に対する同情が強まり、パレスチナ自治政府はパレスチナ問題を、ICC (国際刑事裁判所)に提訴できる環境を、作ろうとしているのではないか。
今回のテント村の建設による、入植活動阻止の運動は第一段階であり、これに続く第二段階の活動がある、と踏んだ方がいいのではないか。