『イラン権力内部で変化が起きているのではないか』

2013年1月 5日

最近になって、アハマド・ネジャド大統領とハメネイ師の間に、深い溝が出来ているということを匂わす情報が、沢山流れてきている。アハマド・ネジャド大統領が国民の人気を掌握しようとする政策は、ハメネイ師とその取り巻きたちによって、次々と潰されているようだ。

そのことに加え、最近になって他の動きが始まったようだ。それは元大統領であり、イラン宗教界の重鎮でもあるラフサンジャニ師が、自分の意見を明確に語るようになってきていることだ。

最近、ラフサンジャニ師はシリアの状況について、厳しい見方をしていることが分かった。これはイラクのイブラヒム・バハル・ウルーム元石油大臣との会談の中で語ったものだ。

ラフサンジャニ師はシリアのアサド政権が取っている、反体制派に対する血の弾圧対応について、解決の道を断つものだという趣旨の発言をしたが、この発言内容は一言で言えば、アサド体制の政策を真っ向から否定するものだ、ということだ。

述べるまでも無く、ハメネイ師はアサド体制を何処までも支持し、守るという立場であり、ラフサンジャニ師の発言はハメネイ師の発言内容に、真正面から、反対するものになっている。

何故このような宗教界トップの間で、意見の相違が現れ始めたのであろうか。述べるまでも無く、アメリカを中心とする欧米諸国による、イランに対する経済制裁が、効を奏しているからであろう。

そのことに加え、最近アメリカのオバマ政権はイランとの間で、秘密交渉を始めているという情報がある。一部では、ヒラリー国務長官が病気で緊急入院したのは、このことに関係しているということだ。

ヒラリー国務長官がイランに秘密訪問する途上で、このアメリカとイランの接近に反対する、アメリカの一部の組織が動き、ヒラリー国務長官の乗る飛行機を故障させ、事故を起こしたためだとういう情報がある。その真偽の程はわからないが、アメリカとイランとの間で、何かが進んでいることは確かだ。

うがった推測が許されるならば、ラフサンジャニ師がハメネイ師に対して、真正面から対立する意見を述べたのは、そのことと関連しているのではないか。ラフサンジャニ師は娘がサウジ王家と親しいことから、間接的にアメリカと関係があるということであろう。

そして、息子はロンドンに居住しており、イギリスとの関係が深いということであろう。ラフサンジャニ師のアサド政権見切り発言は、アメリカやヨーロッパの意向と合致するものだ。ラフサンジャニ師の発言は今後、イラン国内で何かが始まる前兆ではないのか。