2001年以来、イスラエルの刑務所に終身刑で繋がれているマルワーン・バルグーテイ氏が、獄中からパレスチナ自治政府とハマース、そしてパレスチナ人に檄を飛ばしている。
彼はパレスチナの二つの組織、ファタハとハマースが統一すべきだと強調した。同時に、ファタハに対し厳しい意見も述べている。ファタハはもっと真剣に義務を果たすべきだ、と語っているのだ。
ヨルダン川西岸地区でもガザでも、外国の難民キャンプでも、パレスチナ人は表に出て、行動を起こせとも語っている。ファタハとハマ-スが、統一して行動を起こすように促せるのは、若者でありパレスチナの一般大衆だ、とも主張している。
もっとも厳しいマルワーン・バルグーテイ氏の言葉は、パレスチナ自治政府がイスラエルと入植地の、ガードマンになりさがってはいけない、という一言であろう。誰が見ても、現在のパレスチナ自治政府はイスラエルの言いなりであり、とてもイスラエルとの間で厳しい交渉を、している立場には見えない。
獄中にあってマルワーン・バルグーテイ氏は、パレスチナ自治政府がアメリカのニューヨークに出かけるだけで、和平と土地の奪還を考えているのは、間違いだとも指摘しているのだ。
戦闘と努力がパレスチナの土地を奪還する、唯一の手段だと語り、パレスチナもアラブの春革命を、遂行すべきだと述べている。そのことは、イスラエルに対する、パレスチナ住民の抵抗と同時に、闘うことを忘れたパレスチナ自治政府に対する挑戦を、呼び掛けているということであろう
このマルワーン・バルグーテイ氏の発言は、ハマースにとっては有利であるが、彼の出身母体であるファタハにとっては、極めて厳しい内容ということであろう。それは同時に、マルワーン・バルグーテイ氏の発言が、ヨルダン川西岸地区の住民の意思を、代表しているということでもあろう。
2013年という年は、マルワーン・バルグーテイ氏が語るように、パレスチナにとってのアラブの春革命スタートの年になるのではないか。それに対し、パレスチナ自治政府が、どう対応していくのか見ものだ。