『エジプトの現実と今後の不安な予測』

2012年12月29日

 

エジプトの友人はある省の高官だが、彼の連絡によれば12月は給料が支払われなかったそうだ。

11月にエジプトを訪問した段階では、10月の給料が半分しか出なかったと言っていた。

それは軍人や警察も同じ状況のようだ。それでは一体誰が現体制を守り、大衆の暴動を抑えるのかという、単純な疑問が沸いてくる。

ムスリム同胞団はムバーラク大統領のような歯の浮くようなお世辞は、言わないというよりは言い方を知らないだろう。

加えて、金づるの湾岸諸国は、現在では明確にムスリム同胞団を、危険視している。これでは援助金を出してくれないのはもとより、金を貸してもくれないだろう。

ムスリム同胞団の与党自由公正党が、モルシー大統領の掲げた新憲法を、国民投票にかけ、強引に通過させた。しかし、それ自体はエジプトが抱える、経済問題を解決することには、全く繋がらない。

近く世俗派が新憲法制定をめぐり、大規模な反政府運動を起こすだろう。

その反政府運動には、警察や軍が加わることも考えられる。それをどう押さえ切れるのか、ムスリム同胞団はアッラーにでもすがろうというのだろうか。

エジプトの状況は悪化の一途をたどっているようだ。