イランの国営通信(IRNA)のトップである、アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏が退院後、再度エビン刑務所に送られたというニュースが、イランから発せられている。
アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏が逮捕され、9月以来今日まで投獄されていたが、心臓病が悪化し治療のために、4日間という短い期間ではあるが、一時的に出獄が認められていたものだ。
彼が投獄された理由は、イスラムに敵対的な書物を発行したことと、公共のモラル破壊につながる、行動をしたためとされている。その意味では、アハマド・ネジャド大統領の国連での演説も、このコードに触れると言われている。
アハマド・ネジャド大統領は10月に、エビン刑務所を訪問し、アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏に面会しようと思ったのだが、刑務所側が許可しなかったという経緯がある。しかし、今回は病院での面会が、かなったと伝えられている。
アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏は、アハマド・ネジャド大統領と非常に近い関係にあり、以前から強硬派のイスラム学者組織に、目を付けられ狙われていたということだ。
このアリー・アクバル・ジャワンフェクル氏に対する締め付けは、実はアハマド・ネジャド大統領に対する、締め付けではないのか。最近になって、アハマド・ネジャド大統領に関する種々の情報が流れ、議会でも彼を査問する動きがあった。
それが今の段階で大事に至っていないのは、ハメネイ師の差配によるもののようだが、現段階でイラン国内に大きな動きを創り出すことは、対外的に不利だという判断からであろう。
しかし、そうした政治的判断は、やがて終りの時を迎えるのではないか。アメリカを中心とする西側諸国の、イランに対する経済金融制裁が、今後ますますイラン国内経済の状況を悪化させるであろうが、その時の人身御供として、アハマド・ネジャド大統領が使われるのかもしれない。