ガザ戦争でイスラエルのテルアビブとエルサレムの郊外まで、ロケット弾を撃ち込むことに成功した、ガザのハマースはヨルダン川西岸地区での、ハマース結成25周年記念行事を行う許可を、パレスチナ自治政府から獲得した。
これはハマースにとって今後の活動を展開していく上で、大きな成果だった。ハマース結成25周年記念行事が、ヨルダン川西岸地区で開催されたことは、明らかなハマースのファタハに対する挑戦であり、同地区居住者とハマース・メンバーを勇気付けるものとなった。
パレスチナ自治政府議長のマハムード・アッバース議長が、ファタハとパレスチナ自治政府にとって不利な、ハマースの記念行事を認めざるを得なかったのは、ハマースのガザ戦争における勝利が、ヨルダン川西岸地区でも大きな反響を、呼んでいたためであった。もし記念行事を許可しなかった場合、許可をしたよりも不利な状況が、起こったものと思われる。
ハマースが記念行事を実施した後、ヨルダン川西岸地区ではハマースのメンバーが増加したものと思われるし、彼らはヨルダン川西岸地区からのイスラエルに対する軍事攻撃を画策し始めているものと思われる。
この記念行事の後、ヨルダン川西岸地区にあるイスラエル軍の武器庫に、武器を盗むことを目的とした、パレスチナの若者たちが忍び込んでいる。加えて、軟弱なマハムード・アッバース議長の対イスラエル対応に、不満を述べる者が増加してもいる。
イスラル国内では近く選挙が行われ新内閣が結成されようが、どうも現状からすると、強硬派のネタニヤフ首相が勝利しそうな気配が濃厚だし、辞任をしてなおそのポジションに留まる、最強硬派のリーベルマン外相を、ネタニヤフ首相は再度外相に起用するつもりのようだ。
そのことは、今後もイスラエルとパレスチナの和平交渉は、何の成果も生み出さない、とパレスチナ人の誰もが考えるであろう。そして、イスラエル政府は世界の反対を押し切って、ヨルダン川西岸地区と東エルサレム地区に、イスラエル国民用の住宅を、建設し続けるということであろう。
そうなれば、ハマースが唱える武力闘争のみが、パレスチナの土地の奪還を確実にするという考えが、ヨルダン川西岸地区の住民の間にも広がり、イスラエルに対する武力闘争が、ガザ地区ばかりではなく、同地区からも始められるということになろう。